くらし 町長室から No.95

■花札はトランプに負けない
水の張られた水田と新緑の山並みが織りなす、一幅の絵画のように美しい里山景観に心が洗われる季節を迎えました。古くから私たちの地域では田植えを終えたことを祝う行事を「代満(しろみ)て」と呼び、農作業の疲れを癒す取り組みが各集落や家族単位で行われてきました。ちょうど6月からは健康診査・がん検診が行われます。「代満て」のご褒美に、今年はぜひ町内医療機関で健康診査・がん検診を受けていただき、体の点検をいたしましょう。そして町内飲食店や法勝寺温泉で日ごろの疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
さて昔も今も、私たちの暮らしと健康に医療は必要不可欠なものです。1月に引き続いて、5月にも公立病院を運営する県内自治体1市5町合同で、総務省と厚生労働省に申し入れをしてまいりました。医療資材や人件費の高騰に対して診療報酬が抑えられた結果、多くの医療機関の経営が悪化しています。また、医師や薬剤師の都市部への偏在など、このままでは
地方から医療が失われかねない、そんな危機的状況を訴えてきました。
また毎回の陳情活動として鳥取県選出国会議員にも直接お話を聞いていただきました。
赤澤亮正経済再生担当大臣も日程調整の難しい中、時間をとっていただき、大臣からは、中山間地農業や暮らしになくてはならない医療をはじめとした生活基盤を国益として守っていく情熱を感じ取りました。米国トランプ大統領の関税外交に世界が振り回される中、直接交渉人として当たる任務は私たちには想像できないほどの重責でしょう。私から赤澤大臣へのエールは、里山の花鳥風月を表す花札はトランプに負けない。

南部町長 陶山清孝