くらし 町長室から No.99

■食べることは、生きること
9月に入り、あれこれと仕事が重なったため、左の奥歯のあたりが痛くなりました。加齢に伴い、無理がきかなくなったと感じる一方で、口の中の些細な不調が原因で食事がおいしくないと感じました。同時に、何となく体を動かす気力がわかず、集中もできない状態でした。突然私に訪れた口の機能低下は幸いにも2日ほどで緩和しましたが、この出来事を通じて口の大切さを改めて実感しました。
2025年、日本の高齢者人口は3千619万人で全人口の29・4%を占めると発表されています。敬老の日の9月15日現在、南部町内で100歳以上の方は14名いらっしゃいます。最高齢は104歳で、さらに本年度中に100歳を迎える方は7名もおられます。100歳の長寿のお祝いでお会いした皆様の多くが、「何でもおいしくいただいています。」とおっしゃっていたことが印象的で、やはり「食べることは生きること」なのだと実感しました。
歳をとると起こる体の虚弱化を「フレイル」と呼びますが、東京大学高齢社会総合研究機構の大規模調査で明らかにされた「オーラルフレイル」(口腔機能の衰え)という概念があります。オーラルフレイルは身体全体へ影響を及ぼすが、機能回復も可能であるため早めの対策が重要です。「食べこぼし」「飲み物でむせる」「硬いものが食べづらい」などの症状がある場合は、オーラルフレイルの可能性がありますので、注意が必要です。
そこで、お口の健康と食をテーマにしたお祭り「カムカムフェスタ」を11月8日(土)に開催いたします。みなさまぜひご参加ください。
南部町長 陶山清孝