- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県江府町
- 広報紙名 : 町報こうふ 2025年8月号
■「江府町フレイル予防講座」みなさんのつどいの場に出向きます
本町では、ご希望のあるグループや集落のつどいの場に、保健師、管理栄養士、健康運動指導士等が出向いて、「フレイル予防講座」を開催しています。
令和5年度からの2年間で、実17グループ、延31回、延317人の町民の方が参加してくださいました。
今回は、本町が取り組んでいる「フレイル予防講座」について、一部をご紹介します。
■なぜ「フレイル予防」が重要か
「フレイル」とは、健康と要介護の中間の状態のことで、〝からだやこころのはたらき、社会的なつながりが弱くなった虚弱な状態〞のことを表します。
本町では、高血圧や糖尿病といった生活習慣病を背景とした脳卒中などの動脈硬化に関連した疾患が多かったことから、40〜74歳を対象とした特定健診の開始とあわせて、いわゆるメタボ対策に長年取り組んできました。
このメタボ対策では、食事に関しては栄養のとりすぎが課題となるため、中年層から高齢期の入り口くらいまでは、摂取カロリーの制限などが基本になります。しかしながら、70代後半を迎えるようになると、反対にやせや低栄養が課題となり、適切なエネルギーをとること、とくに、筋肉のもとになるたんぱく質をしっかりとることが重要になってきます。
つまり、高齢になると、メタボ対策からフレイル対策への切り替えが重要で、これらが要介護認定率や健康寿命に影響していることが明らかになってきたわけです。
ちょうど中間にある70歳前後の方のフレイル対策への切り替えの時期については個人差がありますので、かかりつけ医等に相談することをおすすめしています。
■フレイルは社会とのつながりを失うことからはじまる
東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授によると、高齢者を対象とした大規模調査研究において、フレイルの進行には、「運動の不足」だけでなく、「栄養摂取の不足」、その手前には「口腔機能の低下」、さらにその手前には〝人と人のつながり〞〝生活の広がり〞といった「社会性の低下」という要素が関わっていることが明らかになったということです。
つまり、フレイル予防には、栄養(食・口腔機能)、身体活動はもちろん重要ですが、社会参加、文化活動や地域活動等をとおした〝人と人のつながり〞を失わないことが極めて重要だということが、大規模調査研究で裏づけられたということです。
■江府町民のみなさんが教えてくれたこと
講座の参加者からは、「健康には気をつけていたが、自分の状態が数値でわかって意識が高まった」「自分の目標を立てることで、生活の中で意識するようになった」「社会参加が大事とわかった」「これからも参加したい」という感想がありました。
また、参加者からは「こうして集まれるのは呼びかけてくれる世話人のおかげ」、世話人からは「集まってくれるみんなのおかげ」と、お互いに感謝の気持ちを伝えられる場面もあり、つどいの場が温かな言葉で包まれていました。
「誰かのためと思っていた声かけも、自分のためになっていたと気づくことができました」という感想もあり、〝支える側〞〝支えられる側〞という関係ではなく、双方向に〝支え合う〞関係であることに気づき、このようにして人と人がつながっていくことを、町のスタッフも「フレイル予防講座」をとおして、町民のみなさんから教えていただいたように思います。
「フレイル予防講座」に取り組むグループや集落を募集しています!
お気軽にお問合せください。
◎講座ではフレイルチェックや体組成計による筋肉量の測定などが体験できます。
◎いどばたグループや運動グループ、サロンなどの社会活動がフレイル予防に重要なのです。
問合せ先:江府町総合健康福祉センター
【電話】0859-75-6111