文化 江府町立図書館の本棚「こんな本あります!」

監修:江府町立図書館館長 宇田川恵理

こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!

■『こんなことで死にたくなかった』
高木徹也著(三笠書房)

著者は、5000体以上の遺体を解剖してきた法医学者です。本書では、その中で出会った高齢者の死亡事例について解説しています。
たとえば、冒頭の「パンで死ぬ」。いわゆる食べ物の誤飲で起きる、窒息死の事例について書かれているのですが、高齢者がのどに詰まらせるといえば、「お餅」が一番初めに頭に浮かびます。ところが、実はパンも同じように窒息しやすい食べ物だとのこと。スポンジ状のため、水分を吸い込んで膨らみ、気道をふさいで窒息させてしまうのだそうです。
また、「薬の包装シートで死にかける」の事例では、プラスチックとアルミでできている薬の包装シートの誤飲について解説されています。シートを誤って飲み込むと、シートの角が消化管を傷つけることもあるそうで、なるほどそんなこともあるのかと思いました。
これ以外にも、日常生活に潜む死につながるかもしれない危険について、いろいろ解説されています。「歯が抜けて死ぬ」「つまずいて死ぬ」「ペットに咬まれて死ぬ」など身に覚えのある事例もあって、章末の対処方法も含め参考にしたいと思いました。