- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県松江市
- 広報紙名 : 市報松江 2026年1月号
■テーマ3 こどもたちが『夢』を抱き、育むために、大人にできること、松江市にできることとは?
岩田:こども家庭庁は、こどもの夢応援庁でもあると思うのですが。
安里:こどもの意見を聞くというか、こどもが意見を言う機会を提供するってことが、『こどもまんなか』の基礎ですよっていうことなんですね。それって、こどもたちが夢を見つけることにもなるかもしれないし。日本は残念ながら、こどもの自殺率も高いんですけど、将来に夢があれば生きようとする選択肢も強くなってくると思うんです。自分の意見を言うことができて、誰かがそれをサポートしてくれて、実現したっていう成功体験、そういうことを幼いうちから繰り返すことで、自分の夢は叶えられるって思うことが1番こどもにプレゼントしたいことだなっていう風に思ってます。
市長:松江市は市政を進める道標として、総合計画「MATSUE DREAMS 2030」を策定して、『夢を実現できるまち 誇れるまち 松江』の創造を目標に日々取り組んでいます。
このうち「夢を実現できるまち」は、松江なら夢を叶えられる、だれでもここでチャレンジできるということ。「誇れるまち」は、魅力的な松江に生まれ育ち暮らすことに胸を張って自慢しよう!ということなんです。
また、こども・子育て支援の目標としては、市民の皆さんが「ここに生まれて良かった ここで育てて良かった」と感じられることを掲げて、ふるさと学習に力を入れています。松江市立小学校の3年生は、宍道湖でシジミ漁が体験できます。小学6年生には『松江城授業プロジェクト』という必修授業があって、松江城の謎や秘密に触れながら天守まで登り、松江歴史館で悠久の歴史を学びます。今年1月には初めて、中学2年生を対象とする職業体験イベント『MATSUE WAKU WORK』を開催しました。事後アンケートでは、『自分の夢が見つかった』と書いてくれた生徒もいました。
やりたいことが見つかったあと、その実現に向けて努力できる場所となるため、チャレンジを応援する仕組みも設けています。令和5年にスタートした「MATSUE起業エコシステム」は、新しいアイデアをもった人をみんなで後押して、事業化・ビジネス化を図る「応援団」です。今はそれが官から民に広がると同時に、大人からこどもへと広がっているんです。例えば、社会課題を解決するアイデアを持つ高校生に対して、大人たちが助言し資金も提供して事業化をサポートしています。松江のこどもたちが考えたアイデアは、アイデアでは終わらせません。自分の夢として叶えていくのを全力で応援します。主役は、夢に向かってチャレンジするすべての人です。行政は最初は先頭で旗を振っていますが、途中で後ろに回り込んで、最後は後ろからうちわで風を送るような存在でいたいですね。
佐藤:夢を持つこと自体が自分自身を奮い立たせることにもなってきます。僕も親子体操を通じて世の中を健康にしていきたいです。今は青森県の弘前大学の大学院で親子体操を研究して学位を取って、日本初の親子体操博士として活動させてもらってるんですけど、青森県って47都道府県中平均寿命が40年ぐらいずっと1番低いんです。それをなんとか親子体操を通じて若い世代から健康に向ける意識を高めて平均寿命を高めていきたいなっていうのがあるんですけど。僕が学位を取ってから10年ぐらい経ちますが、まだずっと平均寿命が47位なんです。でもこの10年で健康寿命が上がってきてるんです。なので、あと数年かければもしかしたら短命県脱退ができるかなっていうところを目指しながら、自分の夢と重ねて、親子体操っていうものは本当に体にいいんだよ、ということを世の中に広めていきたいと思って活動しています。こどもたちに夢を持たせる時って、なんか目の前の夢もそうなんですけど、地球儀を見るともっと夢が広がるよっていう風に言われて、幅広い大きな夢をもっともっと見せられるような大人になりたいなと思っています。
てぃ先生:大人もそうだと思うんですけど、大きな目標や大きな夢を持つ時って、そもそも自分が大事にされているっていう感覚がないと、持つものも持てない、持てるものも持てないと思うんです。その大事にされている感覚っていうのが、例えばこども基本法であったりとか、こども家庭庁の100ヶ月ビジョンとかもそうだと思うんですが、分かりづらいんですよね。具体的にどういうことなのかっていうのを大人で照らし合わせた方が分かりやすいと思っています。例えば、ここに水があります。じゃあ市長さんにそこのお水取っていただきたいと思ったとします。普通大人同士の常識的なコミュニケーションとしては、まず市長さんの様子を観察して取れそうだなって判断したらそこで初めて「ちょっとすいません。そこのお水取っていただけますか?」となりますが、相手がこどもになった途端に、大人ってそれができないことが多々あって。例えば、もうすぐお昼ご飯なのでそろそろこどもに片付けしてほしいなって思ったとき。こどもの様子を見ずに時計だけ見て、「もうご飯だから片付けして」って始まるんですよね。それでも片付けをしないと、「ねえさっき言ったよね。もういい加減にしなさいよ。パパが帰ってきたら怒ってもらうからね」とか。僕たちは当たり前のようにこどもにそれをやっているんです。そんな言われ方をして、こどもが片付けしたいと思うのかっていう話なんですよね。そういうのってまさに大事にされていない感覚が大人の無意識の行動によって植え付けられている可能性があるので壮大なこども基本法とか、こどもの意見を聞きましょう、みたいなざっくりしたことを皆さんに伝えたいのではなくって、そういう日常の中にある細かい部分を皆さんの生活の中と、こども家庭庁が発していることをご自身の中ですり合わせてどんなことかなって考えていくことがまず大事なことなんじゃないかなっていう風に思います。
安里:こども家庭庁が『こどもまんなか』って謳っていることは、大人にやっているのと同じ対応をこどもともやろうよってことなんです。幼いこどもでも声を聴くことが大切です。大人とこどもが対等に声を聴き、会話をする、それが当たり前に育ったこどもは誰に対してもそうやって接触しますよね。だから、『こどもまんなか』の概念って、きっと日本を良くする方に変えるなって思っています。
市長:重要なのは『実行すること』ですね。目標を立てるだけじゃなくて、一歩を踏み出すこと。踏み出せば、夢の実現は間違いなくこちらに近づいてきます。皆さんにご意見をいただきながら、松江市がより魅力的な『夢を実現できるまち』になるように、これからも力を尽くしてまいります。
