文化 エーロさんに聞いてみよう フィンランドのよもやま話

Eerolla on asiaa
フィンランド出身国際交流員による、フィンランドや邑南町の話

■第24回 フィンランドの音楽、その歴史と現状
▽フィンランドの作曲家
フィンランドの音楽の創成期の作曲家ジャン・シベリウスは世界で一番知られているフィンランドの音楽家です。フィンランドが独立する前のナショナル・ロマンティシズムの時代を背景にしてシベリウスは1890年代にいくつかのフィンランドの伝統をテーマにする曲を作りました。その例はカレワラ民族叙事詩とカレリア組曲、そして第一交響曲です。世界で人気が高い曲は交響曲がよく挙げられます(特に第4と第7)。しかし、シベリウスは世界で全体的に認識され、大きな影響を与えた作曲家として述べられています。今現在もシベリウスは日本で一番好まれている音楽家です。その他の有名な作曲家はメリカント、メラルティン、クーラ、マデトヤ、ラウタヴァーラなどが挙げられます。

▽ヘヴィメタル大国
夏の最高の楽しみフィンランドはヘヴィメタルの大国だとご存知でしたか。国は人口に合わせてグループ数が一番多く、有名になったグループが複数挙げられます。ナイトウィッシュ、チルドレン・オブ・ボドム、アポカリプティカ、アモルフィス、ソナタ・アークティカ、ウィンターサンのようなよく知られているバンドが沢山あり、十グループ以上が日本のウィキペディアでも詳しく書いてあります。フィンランドのシンフォニックメタルの特徴は自然の現象とその雰囲気(大雨の雨粒の音、暗くて寒い冬、夜空)を描くサウンドとアルバムカバーです。メタルがフィンランド社会全体を浸透したのは2006〜2007年だと言えます。なぜならその頃は二つのアーティスト/グループ「ローディ」、「アリ・コイヴネン」が大規模の音楽コンテストを勝利しました。ちなみに2009年に設立した恐竜の仮装をしている子ども向きメタルバンド「ヘヴィサウルス」も人気があり、ドイツ、スペイン、スウェーデンなどにもフランチャイズされました。

▽フィンランドのサウナ文化
今年、毎年行われる欧州大規模の音楽祭ユーロビジョン音楽コンテストは面白いことが起きました。スウェーデンはフィンランドの音楽・コメディグループ「カイ」を代表に選びました(カイはフィンランド語ではなくスウェーデン語で歌っているからです)。タオルに巻いているカイのメンバーのサウナ階段の上でのパフォーマンス「Barabadabastu」(文字通りの意味:ただサウナに入ろう)というサウナ歌はヒットになりました。フィンランドのサウナ文化を面白く世界に普及したことで、スウェーデンでのパフォーマンスはほとんどのフィンランド人にも好まれました。

▽夏の最高の楽しみ
夏は全国で音楽祭が多い季節です。一番大きな音楽祭はポリ・ジャズとルイスロック、そしてフロー・フェスティバルです。この全部はポップ・ミュージック、ロックアーティストが登場し、ボブ・ディラン、トト、メタリカなども出場したことがあります。また、古い城で行われるオペラを楽しめるサヴォンリンナ・オペラ・フェスティバルも年々フィンランド規模で多くの7万人の参加者を誇っています。多くのフィンランド人にとって数日間楽しめる音楽祭に友人と一緒に参加し、テントで宿泊したりサウナに入ったりコンサートを聴いたりすることは夏の最高の楽しみの一つです。