くらし 令和7年度 主要な施策(要旨)(2)

◆(1)地場産業と観光の振興
(1)水産業について
令和6年のまき網漁業の漁獲高は、約24億円で前年比3・8%の増となりました。
水産業の中核を担う、まき網漁業は地域経済や雇用にとっても大変重要ですので、今後も豊漁を期待いたします。
令和7年度は、離島漁業再生支援交付金の第5期計画がスタートいたします。漁場の生産力向上や新規就業者の確保・定着、漁業者の所得向上につながるよう、交付金を積極的に活用し、本町の水産振興に取り組んでまいります。
また、大気中の二酸化炭素を海藻などに吸収させる「ブルーカーボン」の取り組みを進めるため、潜水による資源量調査を予定しております。

(2)農林業関係について
畜産業につきましては、昨年の市場取引額は約1億2千万円で、前年と比べて横ばいとなりました。
本町の生産者が飼養した牛が「隠岐産素牛東京枝肉研究会」へ出品される予定となっておりますので、市場関係者から高い評価が得られるよう、期待しております。
町としましては、町有の優良雌牛の活用など本町産子牛の品質向上に向けた取り組みにあわせ、生産力向上対策として牧柵整備や雑灌木の除去など、公共牧野整備に取り組んでまいります。
公共牧野の効率的かつ効果的な活用方法については、県、JA、和牛改良組合と連携し検討を進めてまいります。
林業につきましては、森林経営管理制度に基づき、森林整備の推進と林業従事者の確保・育成に取り組む事業体へ森林環境譲与税を活用して支援を行ってまいります。
最終年度となる、ふるさとの森再生事業では、島根鼻において下刈り及び除伐を実施し、健全な森の育成と景観向上に努めてまいります。
農林水産業における担い手確保につきましては、県をはじめ関係機関と連携して円滑な就業に向けたサポートや情報発信により、新規就業者の確保に努めてまいります。また、島前地域で連携して獣医師の確保に取り組んでまいります。

(3)地元産品の商品化について
株式会社ぐるなびや地元事業者と連携して商品化が決定した「サザエの肝フィナンシェ」のプロモーション活動について町も協力して進めてまいります。

(4)地域間経済交流について
地域間交流につきましては、鳥取県江府町や大阪府堺市で開催されるイベントなどに参加を予定しており、本町の情報発信を進めるとともに、交流を深め、関係人口の拡大に向けた取り組みを検討してまいります。

(5)観光関係について
昨年の観光入込客数は、約4万2千人で、前年より1500人ほど増加し、着実にコロナ禍前の水準に回復してきております。
隠岐ジオパーク推進機構を母体として企画乗船券発行事業を実施するとともに、西ノ島町観光協会の豪華客船受入事業などを支援し、観光客の増加を図るとともに、滞在時間の延長、観光消費額の増大につなげてまいります。
また、令和6年度に続き、大人の島留学生を西ノ島町観光協会に配置し、別府港周辺エリアの賑わいづくりや新しい観光メニューの造成にも取り組んでまいります。
そのほか、本町を訪れる観光客が快適に過ごしていただけるよう老朽化している観光関係施設の改修を行います。

(6)クルーズ船の寄港について
令和7年度はコロナ禍以前の水準となる5回の寄港が予定されております。
本町の魅力を満喫していただけるよう、西ノ島町観光協会と連携しながら、準備を進めてまいります。

(7)創業・事業拡大について
民間事業者の創業や事業拡大を支援する雇用機会拡充事業で、令和7年度に創業1件、事業拡大1件、あわせて2件の事業実施を支援してまいります。
また、本補助制度を幅広く周知し、民間の創業や事業拡大を推進し、雇用の場の創出と地域産業の活性化を図ってまいります。

(8)浦郷漁港周辺まちづくり関係について
海や漁村の魅力を活用し、雇用機会の確保と地域の所得向上を図るため水産物販売施設の整備や漁業体験などを複合的に展開する「海うみぎょう業」の推進が国から示されております。
町では浦郷漁港周辺が抱える諸課題の解決に向け、検討協議会を立ち上げ、令和6年度に浦郷漁港周辺まちづくり計画を策定いたしました。
この計画をもとに、浦郷漁港周辺エリアのにぎわいにつながる海業の推進を図るため、国が募集している「海業の推進に取り組む地区」へ応募したところであります。
今後は、浦郷漁港周辺まちづくり計画の実施に向け作業を進め、国や県にも支援を要望しながら、活気と魅力ある浦郷地区のまちづくりを進めてまいります。

◆(2)安全・安心な社会基盤づくり
(1)社会インフラ整備について
国の公共事業は、「国民の安全・安心の確保」などに重点をおき、国土強靭化については「5か年加速化対策」の着実な推進をはじめ、防災・減災が主流となる安全・安心な社会を構築することとしております。
本町におきましても、防災・減災に資する整備をはじめ、既存施設の老朽化対策、安全対策などを念頭に、島根県と連携を図りながら、事業を進めてまいります。
道路関係では、県事業による改良工事が国賀海岸線、珍崎浦郷港線で行われる予定となっております。
町事業では、摩天崖駐車場の整備、町道200号線の拡幅、通学路の安全対策及び町道の老朽化対策を進めます。
また、山地の有効活用を図るため、林道高崎線の整備、林道焼火線の未舗装区間の整備、林道黒木線の落石対策を継続して行ってまいります。
港湾関係では、町事業による大津地区の越波対策について順次計画を進め、また老朽化対策として美田港、物井港において施設修繕の工事に着手していきます。
漁港関係では、町事業による珍崎漁港内に臨港道路を新設する工事を進めてまいります。
砂防関係では、県事業による別府地
区の中別府川、西ノ島小中学校付近の太井谷川(でいたにがわ)、倉ノ谷地区の倉ノ谷川で整備が継続され、治山事業でも県事業による物井地区、市部地区で整備が継続されます。
事業実施にあたっては周辺環境を考慮しながら、島根県と連携して進めてまいります。