くらし ほのぼの家族No.329 どんなに進歩しても

祖父:テレビのニュースで、「ゲノム」何とかと言っとったんじゃが、何のことじゃろうかのう?
母:人間の細胞の中にある遺伝情報のことだそうよ。
父:分かりやすく言うと、人間の体を作っている設計図のようなもので、一人一人みんな違うそうなんだ。
健太:へぇ~、僕には難しすぎるなあ。
父:遺伝子の検査をすることによって、将来、どんな病気になりやすいかを予測できるそうだよ。
母:もし、この先、大きな病気になることが分かれば、早い段階からの予防や治療につながって、健康に長生きすることができるかもしれないわね。
健太:いいことじゃん!僕も、検査してほしいなあ。
父:でもね、問題もあるんだよ。過去にも、治療が難しい病気の患者の家族が、その病気が遺伝するとの偏見から結婚に反対されるという差別もあったんだ。
真理:えっ?本人にはどうにもできないことで、そんなひどいことになるなんて…。
父:ゲノム情報が、病気の診断や治療以外の目的で使われると、結婚だけでなく、就職や保険の加入などさまざまな場面で人権侵害が起こる可能性があるんだ。
祖父:ほぉ~、そうなったらえらいことじゃ!
母:国も不当な差別などへ対応するために、新しい法律を作っているけど、まだまだ、国民の理解は進んでいないのが実情みたいね。
父:テクノロジーがどんなに進歩しても、人権が置き去りにされてはいけないからね。みんなが、正しい知識で冷静に判断していかなければならないんだよ。

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