文化 ええとこいっぱい 津山自慢(51)

津山の人・物・技術など、明日誰かに自慢したくなる津山のいいところを紹介します

■地域文化功労者表彰受賞 高田神社横野獅子舞保存会
「高田神社の獅子舞」は約1,300年の歴史を誇る岡山県指定重要無形民俗文化財。獅子舞の保存や継承活動が評価され、令和6年に、文化庁の地域文化功労者表彰を受けました。会長の小椋一朗さんら保存会の皆さんに獅子舞の保存や継承への思いを聞きました。

◇1300年の伝統を守る
「高田神社横野獅子舞保存会」は昭和30年(1955)に発足し、今は10代から90代までの約60人が在籍しています。
活動は、毎年7月末の夏越祭(なごしさい)と10月の第2日曜日の例大祭での奉納が中心で、そこに向け練習に励んでいます。その他にも「地域芸能伝統まつり(東京)」や「おかやま民俗芸能フェスティバル」など、地域外のイベントでの披露や、高田小学校での出前授業を行い、獅子舞の保存や継承に力を入れています。

◇迫力を実際に体験してほしい
高田神社の獅子舞は、笛拍子12人、鼓手4人、雄獅子と雌獅子の2頭で24人、獅子かぶ2人による構成が基本です。獅子かぶは、獅子の誘導役のことで、2頭のすぐそばに付き、勇壮な闘いを指揮します。
2頭の獅子が低い構えで対峙し、にらみ合い威嚇する「地練り(写真1)」と、高い位置で2頭がかみ合う「継ぎ獅子(写真2)」が見どころです。
「継ぎ獅子」は、中で獅子舞の頭を持っている人が、支える人の肩に乗るため、高さは約2・5mにもなり、大勢の観客から歓声が上がる瞬間です。実物はテレビや写真では味わえない迫力があるので、ぜひ見に来てもらいたいです。

◇次の世代につなげていきたい
地区内で家を継ぐ人が少なくなったり、高齢になり参加が難しくなったりするなど、後継者が減っているのが課題です。そんな中、祭りを見て「やりたい」と思い参加してくれる中学生や、別の地域から移住し、新たに保存会に入ってくれる人がいるのはとてもうれしいです。
わたしたちにとって獅子舞は、祭りの様子や、親の練習する姿を見て覚え、受け継いできた大切な文化です。地域で伝えていくことはもちろん、他地域の皆さんにも知ってもらい、人の輪を広げていくことで、次世代に継承していきたいです。