- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県安芸高田市
- 広報紙名 : 広報あきたかた 令和7年5月号
■あの日の記憶は写真の中に2.[33]1942(昭和17)年ごろ金属類の回収(個人蔵)
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川恵子
1931(昭和6)年に満州事変が勃発し、1937年には日中戦争が始まりました。1941年には太平洋戦争へと突入し、1945年の終戦まで日本は長期間にわたって戦時下に置かれていました。
1941(昭和16)年、政府が資源不足を補うため、国家総動員法に基づく金属類回収令を出すと、翌年の5〜6月にかけては一般家庭からの供出も始まり、あらゆる金属製品が集められました。
写真はその時に吉田町四軒屋の各家から集められた金属製品を写したものと考えられ、右端に「四軒屋常会金属回収所」と紙が貼られています。竿につるされた輪灯をはじめとする仏具類、火鉢・羽釡などが集められています。それぞれに持ち主の名前を書いた紙が貼られているようです。
さらに同年秋の2回目の回収は各学校の二宮金次郎像や寺の仏具・釣り鐘もその対象となり、高田郡内の寺からは62の鐘が供出されました。
供出は金属製品以外にも木材や米、牛などあらゆるものに及びました。国民は戦争に勝つために統制を受けた暮らしの中で物心両面の協力が求められました。
■春季企画展 歴史民俗博物館 戦後80年記念企画展「安芸高田と戦争」
期間:5.16(金)~6.30(月)