- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県江田島市
- 広報紙名 : 広報えたじま 第253号(令和7年11月号)
“つなぐ・つながる”をテーマに市内で活躍する人やお店をリレー形式で紹介!
■e’s代表 山本江利子(やまもとえりこ)さん
▽会社紹介
店名の「e’s」には、島の内外に関わらず、江田島市のええ(良い)モノ、ヒト、コトを多くの人に知ってもらいたい、伝えたいという想いが込められている。お客様へのおもてなしはもちろん、江田島市の生産者とのヒトとヒトとの繋がりも大切にする。
地元の方もふらっと気軽に立ち寄れる空間をつくる。
▽安心して美味しく食べてもらいたい。
前回に続き再び「おしゃれな」お店を訪れ、雰囲気のいい店内から「いらっしゃいませ」とe′s代表の山本江利子さんに迎えられた。
平成29年に能美町中町にオープンしたShirasuya e′sは今年で9年目を迎え、島内外からお客様が来るお店になった。
「自分ができる形で家業を引き継ぎたい」との想いから、「えたじまの牡蠣屋の娘」である山本さんが、市商工会のサポートを受け、お店をオープンさせた。翌年には看板商品となる「KAKIJAN」を販売したが、「全く売れなかった。パッケージや値段などアドバイス(批判)も受けましたが、無視しました。」と笑いながら話す。そこには強いこだわりがあったからこそ。
牡蠣の製造工程で生まれる型落ち商品を捨てることなく新たな価値として販売するため、1年間試行錯誤を繰り返した。「こだわりすぎて、途中で正解が分からなくなりましたよ(笑)」と話すほどこだわり抜かれた商品は、今では様々な賞を受賞するほど評価される。「契機となったのは、コロナです。コロナでおうち時間が増え、健康志向が高まり、お客様の意識が変わりましたね。」元々添加物を使用しない商品は、注目され、売上は10倍になった。「安心して美味しく食べてもらいたい。そのため添加物は使いません。」山本さんの想いは消費者に伝わった。
「牡蠣屋の娘」として育ち、家業も一通り経験した山本さんに牡蠣屋のエピソードを聞くと、「昔はおかずがない時はいつもカキフライでした。土曜日の昼はカキフライでしたよ。」と予想外の話で笑ってしまった。まさに牡蠣屋の娘エピソード。
牡蠣やシラスなどえたじまの恵みを幼いころから食べてきた山本さんだからこそ、KAKIJANのような発想の商品が生まれ、そこに市商工会のアドバイスや見えない努力が重なり次の新たな商品が生まれる。「商品を通して江田島市を知ってもらいたい。お店はここに来るしかないが、商品は全国で江田島市の良さを知ってもらえる。」言葉の説得力は、KAKIJANが物語っている。「海外の人にも食べてもらいたい。でもどのように売り込んだらいいのか…。」と次なる販売も模索中。多くの人と知り合い、接客業で培われたコミュニケーションでこの目標も山本さんなら達成するのだろう。話していてそう感じた。「でも私、自称人見知りなので(笑)」とここまでの話を覆す新事実は全くうなづけなかった。(笑)
幼いころから海を見て育ち、海の恵みをいただいてきた山本さんの根幹には、「えたじまの牡蠣屋の娘」として何ができるのかがいつもある。発想力と人徳と表には見せない努力で次なる商品や新たな賑わいを生み出してくれるだろう。
先を見つめるその想いに添加物はない。
■会社情報 e’s
業種:水産加工業
場所:江田島市能美町中町4941-1
【電話】0823-36-6621
休館日:土日祝
