くらし [特集]新春座談会 星野リゾート × 市長 対談(1)

■下関のポテンシャルが動き出す 星野リゾートが関門海峡を選んだ理由
令和7年12月に誕生した星野リゾート「リゾナーレ下関」。
前田市長と、代表・星野佳路氏、総支配人・鈴木良隆氏が、下関の新たな旅のカタチと将来像を語り合いました。

・下関市長 前田晋太郎 まえだしんたろう
市民と共に歩むまちづくりを推進。
観光を軸とした地域経済の活性化に注力し、民間との連携による「選ばれるまち・下関」を目指している。
新たな観光の物語を、市民と共に育てたい!

・星野リゾート 代表 星野佳路 ほしのよしはる
長野県出身。
慶應義塾大学経済学部を卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士を修了。
1991年に星野温泉旅館(現・星野リゾート)代表に就任。
観光による地域再生の先駆者として知られる。
年間80日のスキー滑走をしている。
海峡の迫力、歴史の厚みに感動しました!

・リゾナーレ下関 総支配人 鈴木良隆 すずきよしたか
埼玉県出身。
軽井沢ホテルブレストンコート、奥入瀬渓流ホテル(料飲ユニットディレクター)、リゾナーレ那須(総支配人)を経験し、リゾナーレ下関総支配人に着任。
開業準備段階から地域との交流を重ね、地元の文化・食・人を生かしたリゾート運営に取り組んでいる。
ワインソムリエの資格を保有。趣味は釣り。
地域と共に成長するリゾートを目指します!

市長:新年明けましておめでとうございます。昨年末の「リゾナーレ下関」の開業は、長年の課題だった「滞在型観光への転換」に大きな追い風となりました。本日は、今後の下関観光の可能性について、率直にお話を伺いたいと思います。

星野代表・鈴木総支配人(以下、敬称略):よろしくお願いします。

▽星野リゾートの選択
市長:まず、数ある地域の中から、なぜ下関を選ばれたのでしょうか。

星野:私たちが最も重視したのは「地域全体で良くしていこうとする姿勢」です。一つのホテルだけでは観光地の魅力は変わりません。全187室が、満室になったとしても、街の活性化への貢献は限定的です。そして、重要なのが「対岸」の存在です。

市長:北九州市ですね。

星野:観光客、特に海外の方にとっては、自治体の境界など関係ない。関門海峡の魅力を伝えていくとき、両岸でコーディネーションされていることが世界の中での評価に影響すると思うんです。

市長:実は昨年、関門エリアは「世界の持続可能な観光地100選」を受賞したんです。

星野:素晴らしいですね。私たちが下関にポテンシャルを感じたのは、海峡沿いのエリア全体を良くしていこうという市の方針、北九州側との連携姿勢。こういうことが、この土地の長期的なサステナビリティを高め、事業リスクが軽減される。すごく魅力的な場所に感じました。「一つの新しいホテルだけで集客し続ける」というのは、長期的にはリスクが高いんです。地域が良くなれば、ホテルも良くなる。ホテルが集客すれば、周囲にもプラスが循環する。その良い流れをどうつくるかが大事なので。市のマスタープランへの参加を歓迎していただいたことが、私たちの背中を押しました。

市長:プラン策定の初期段階から、星野代表と議論できたことは大きな財産でした。

星野:港湾開発の成功事例として知られるシドニーを一緒に視察したことで、共通言語が持てました。「世界ではこうしている」という認識を共有できたことで、マスタープランの目指す未来が高いレベルで一致したと思います。

市長:本当にそうですね。

星野:マスタープランは、作る過程がすごく大事だと思っています。もちろん、これから実現していくのは、もっと大事なんだけど。

市長:星野代表に初めて海峡沿いの現地をご覧いただいた時のことを鮮明に覚えているんです。あの時、代表は私にこう言ったんです。「勘違いしてた。こんなにすごいと思わなかった」って。

星野:そうでしたね。実際に立ってみると圧倒されました。コロナ禍などの困難もありましたが、ここに長期的な可能性を感じて丹念に計画を磨いてきました。

市長:こんなに素晴らしいホテルを造っていただき、市民も喜んでくれると思います。

・建物は、すべて曲線で構成されている。見る角度によって、さまざまに表情を変える。船の帆に見えたり、うねる波だったり。
・海峡カバナスイート(4名定員・76平方メートル)…リビングに砂浜が広がり、まるでプライベートビーチにいるような空間が特徴。
・星野「下関のポテンシャルに魅力を感じています。」
・市長「関門海峡のブランド価値を上げていただいた。」