子育て 《特集》不登校、子どもたちのSOS。(4)

●(3)ふれあい子育てサロン「あ・き・ね」
子どもが不登校になったら、保護者も、胸が締め付けられ、不安になります。そんな保護者を支える取り組みとして、「スマイル相談」と「親カフェ」を設け、心配事を一人で抱え込まずに、話せる場を提供。相談員が親身に耳を傾け、必要な情報を提供したり、同じ悩みを抱える保護者同士が交流を通じてリフレッシュしたりする場になっています。
お子さんや、ご自身のことを、一緒に考えていきましょう。

・親カフェ
不登校のお子さんを持つ保護者の交流の場。月に1度集まってお茶を飲みながら、のんびり気楽におしゃべりします。
開催日:毎月第3金曜日(原則)
時間:午後2~4時
場所:教育支援教室あきね(秋根西町一丁目1番3号)
相談員:市教育委員会の教育相談員
申し込み:市教育委員会教育相談(【電話】231-6995)
※事前に連絡をいただけるとスムーズにご案内できます。予約なしの参加も可能です。

・スマイル相談
子育てのさまざまな悩みについて、個別に相談することができます。保護者だけでも、お子さんと一緒でも、相談できます。
開催日:金曜日(第3金曜日を除く)
時間:午後1時30分~4時30分
場所:教育支援教室あきね(秋根西町一丁目1番3号)
相談時間:1時間程度/人・組
相談員:市教育委員会の教育相談員
予約方法:お子さんの学校の先生に申し込むか、直接、市教育委員会教育相談(【電話】231-6995)へ。

▽市教育委員会 松尾千秋相談員
「どこに相談すればいいかわからない」「自分の育て方が悪かったのでは…」。そんな声をよく耳にします。不登校は、さまざまな要因が複雑に絡み合い、問題を抱えながら、それでも頑張って登校していた子が、ある出来事をきっかけに登校できなくなる。そのため、本人も保護者も、なぜ学校に行けないのか、理由が見えにくいんです。不安や焦りを募らせている子どもたちや保護者の皆さんが、相談や交流を通して、ふっと肩の力を抜き、柔らかい笑顔を取り戻してくださればと思っています。

▽親カフェ利用者 吉田さん(仮名)
わが子が不登校になったとき、「まさかわが子が…」と思いました。そして、不登校で悩んでいるのは「私だけ」と思い込んでいました。事実を受け止めきれず、明確な理由もわからず、不登校は「親のせい」という周りの声も聞こえてきて、「学校に行かせないと…」と焦る気持ちとうまくいかない現実に落ち込む毎日。「ちゃんとやらなきゃダメでしょ!」と、子どもをますます追い込んでいたと思います。
同じ思いの人がいて、話を聞いてもらって、いろんな生き方、学び方があると知ることで、「ほっ」としました。自分が普通だと思っていた生き方を選ばなかったとしても大丈夫だと思えました。親が必死になると子どもはプレッシャーを感じる。親が息抜きをできる、誰かの力を借りることは大事だと思いました。

●(4)第3の居場所「ぬっく」(皆繋)
4月から市の事業で、学校に行きづらさを感じる子どもたちの生活の場を、垢田地区に開設しています。学校に通えなくても、人とのつながりを感じられ、自分のペースで安心して過ごすことができる場所です。学習支援や相談、体験活動などを通じて、子どもたちが元気を取り戻し、保護者も自身の生活リズムを整えることができます。

問合先:子育て政策課
【電話】231‒1353

▽皆繋 仲山郁恵さん
不登校の背景には、子どもの自尊心(自己肯定感や自己効力感)の低下があります。必要なのは、「君のことが大切」と伝える関わりです。「君がいて助かるよ」と自分の有用性を感じさせることは、心の回復に大きな意味を持っています。子ども一人ひとりに合ったアプローチで自信を回復できるよう支援しています。大人の価値観で子どもを型にはめるのではなく、子ども自身が自分を肯定し、安心して過ごせる場所を整えることで、不登校の予防につなげていきたいと考えています。