- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県萩市
- 広報紙名 : 広報はぎ 2025年4月号
2月28日、萩市文化財保護審議会で、「白練緯地葵紋付変り段亀甲模様小袖(しろねりぬきじあおいもんつきかわりだんきっこうもようこそで)附 村田家文書五通九点」を市指定文化財とすることが適当との答申を受け、萩市教育委員会会議での可決・告示を経て、新たに指定しました(今回の件を含めて、市指定文化財は138件)。
■有形文化財(工芸品)
白練緯地葵紋付変り段亀甲模様小袖
附 村田家文書五通九点(堀内)
身丈121cm、裄59cmの絹織物の小袖という着物で、長州萩藩大組に属した村田家に伝来したものです。この小袖は、安土桃山時代から江戸時代初期に服飾品の生地として広く使われた練緯(ねりぬき)が用いられ、染色技法には、多彩な絞り染めの技法が使われています。これは他の徳川家康の着物と共通した特徴です。
この小袖は村田家の初代村田安政(やすまさ)が初代将軍徳川家康から与えられました。安政とその姉おたあは朝鮮出兵によって捕らえられて別々に来日した人物で、おたあが家康に仕えていた時、毛利家中にいた安政のこと耳にして、駿府(すんぷ)(静岡市)で奇跡的な再会を果たします。安政はその時に家康からこの小袖を賜りました。当時の工芸や歴史を伝える貴重なものとして、現在は萩博物館で保管しています。
問合せ:文化財保護課
【電話】25-3299