文化 ウミガメ News Letter No.49

■アオウミガメ
昨年12月4日に木岐漁協で保護されたアオウミガメを新設された「保護研究棟」に一時収容しました。経過観察でしっかりとした糞も出し、水槽内での泳ぎ方にも問題がなかったので、健全な状態と判断して同月6日に大浜海岸から海に帰しました。ご存じのとおり、大浜海岸で産卵するのはアカウミガメです(以下、区別しやすくするために、アカウミガメは赤ウミガメ;アオウミガメは青ウミガメとします)。青ウミガメは、より暖かい小笠原諸島や琉球列島から南洋の島々で産卵しています。その為、暖かい南の海に住んでいると思われがちですが、実は徳島県の沿岸でもよく見つかります。今回、保護された青ウミガメは甲長41.8cm、体重9.4kgの小型の若い個体でした。赤ウミガメでは、この位の大きさは太平洋のはるか沖で浮遊生活を送っている「ロストイヤー」と呼ばれるサイズで、日本の近海で見つかることは極めて稀です。一方、青ウミガメではこのくらいのサイズが沿岸で見つかることは珍しい事ではありません。この違いは両種が成長する過程の回遊生態に違いがあるからと考えられます。赤ウミガメの子ガメは黒潮の流れによって広く太平洋に分散し、何年もかけて十分に成長してから日本沿岸に帰ってきます。この為、赤ウミガメの産卵地は黒潮に近くに存在しています。一方、青ウミガメの産卵地は、琉球列島、小笠原諸島の他、南太平洋の島々に広く点在しています。これらの産卵地は、琉球列島以外は黒潮に遠くその流れの影響は強くありません。その為、青ウミガメの子ガメは赤ウミガメほど、遠くに運ばれることはなく、産卵地に近い海域で漂流生活を行い、すぐに岸近くに帰ってくるようです。この為、青ウミガメは赤ウミガメより小さなサイズで見つかることが多いと考えられます。
館長:平手康市

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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369うみがめ博物館カレッタ「質問係」

■Question
カレッタにいるスッポンモドキはウミガメの仲間ですか?

■Answer
ウミガメと同じヒレ状の手足を持っていますが、ウミガメの仲間ではありません。ウミガメと同じくほとんどの時間を水中で泳ぐ生活をしているため、姿かたちが同じように進化しました。この様な現象を「収斂(しゅうれん)」と呼びます。サメとイルカが良く似た姿かたちをしていることも同様です。