くらし 〈特集〉瀬戸の宝石 うちの島16 牛島(うしじま)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 香川県
- 広報紙名 : みんなの県政 THE かがわ 令和7年11月号
◎今月のすてき島人
ゲストハウス「アイランドガール」
オーナー:横山 敬子(よこやまけいこ)さん
■世界中から旅行者が訪れる 水と緑が豊かな瀬戸内の楽園
─ゲストハウスを始めたきっかけは。
2000年ごろに牛島に戻ってから戚や友が訪ねてくるようになり、中には長期滞在する人も。長期間自宅に泊まられても困るので、それならみんなが泊まれる家を作ろうかなと、築200年近い古民家を改修して始めました。その家は現在改装中ですが、向かいの家と小浦の海岸沿いの「オーシャンフロント」と合わせて3軒を運営しています。
─島での生活で不便はないですか。
自宅横のアトリエで服飾の仕事をしいますが、事で使う生地や食料は必要に応じて送られてきますし、ちょっとした日用品はインターネットで注文すれば翌日には届くので、不便さは全くないですね。塩飽諸島は昔から関西や九州との交流が盛んでしたが、今はアトリエやゲストハウスが「島への入り口」となり、島で暮らす前よりも世界中の人との出会いが増え、いろいろな情報が入ってきます。海は世界とつながっていますから。
─牛島の魅力を教えてください。
静かでゆっくりとした時間が流ているとこかな。若い頃に世界中を旅しましたが、牛島はニュージーランドの空気感に似ている気がします。海外の人にとって海のそばで暮らすのは貴重なこと。波の音や鳥のさえずり、四季折々の色彩など自然公園の中で生活しているような感覚で、感性が研ぎ澄まされます。知り合いにも移住を検討している人がいるので、島民がせめて10人以上になってくれるとうれしいですね。
■写真で見る「牛島の昭和」
里浦港から歩いて3分ほどの場所にある牛島集会所では、60年前の牛島が一目でわかる写真展「牛島の昭和」を開催しています。牛島の子どもたちの通学や運動会を楽しんでいる様子、島の神事など、昭和の懐かしい風景をおさめた写真を多数展示しています。集会場は常に開放しており、いつでも観覧可能。島に遊びに来た際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
◆data
◯牛島(丸亀市)
人口:6人
面積:0.84平方キロメートル
(2025年9月1日現在:住民基本台帳人口)
《アクセス》
丸亀港から里浦港まで旅客船で約15分
《島内の交通手段》
徒歩
《注意事項》
島内には売店および自動販売機はありませんので、食料や飲み物は持参してください。
◎赤灯台
牛島の北の沖合にある、赤いタイル張りが特徴の灯台。この辺りは浅瀬で古くから船の難破・座礁事故が多かったことから、1934年に設置されました。島から延びる防波堤を進むと近くで見ることができます。(表紙写真)
◎アイランドガール(2号館)
横山さんが運営する古民家を改修した一棟貸し切りの宿。今までに日本だけでなく世界26カ国の人が訪れています。食事は各自の食材を持ち込んで自炊です。(1号館は現在改装中)
◎オーシャンフロント
アイランドガールの3号館。小浦の港に面したログハウス風の一棟貸しゲストハウスで、部屋の窓から瀬戸内海と丸亀の市街地が一望でき、大型船や漁船が目の前を行き来するのを眺めていると、時間を忘れさせてくれます。
◎池神社湿原
里浦港から10分ほど歩いたところにある県内屈指の湿原。夏は葦(あし)が生い茂っていますが、秋になると枯れて湿原が姿を現し、四季折々の景色や珍しい野鳥を見ることができます。
◎水田のある風景
水が豊富な牛島は、至る所に湧き水が出ており、米作りが盛んです。田んぼの脇には小さなため池がいくつも見られ、秋になると黄金色の景色が広がります。
◎極楽寺梵鐘(ぼんしょう)
江戸時代に奉納されたもので、当時の地元の大船持ちだった丸尾五左衛門が夜中に鐘をついたことで巨万の富を得たが、その後没落したという「無限の鐘」の伝説が残っています。
※詳細は広報紙3ページの地図をご覧ください。
問い合わせ先:丸亀市地域づくり課
【電話】0877-24-8853
