- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県西条市
- 広報紙名 : 広報さいじょう 2025年9月号
大阪の落語の殿堂、天満天神繁昌亭を拠点に、全国各地で独演会を開催する愛媛県出身の落語家、林家染太さん。
子どもの頃からの夢が叶い、毎日楽しく落語をしている染太さんには、学生時代に「いじめ」という辛い経験がありました
■誰にも相談できなかった苦悩
私が中学生の頃、ひどいいじめに遭いました。休み時間や放課後に同級生から集団で殴られたり、蹴られたり、靴を捨てられたこともありました。その結果、私は裸足のまま家に帰ることもあり、毎日が本当に地獄のようでした。学校に行くのが嫌でたまらず、心の中は絶望でいっぱいでした。
「この世の中に、僕の味方は一人もいない」と思い、自尊心がズタズタになっていくのを感じました。そんな中で、「こんなに苦しい想いをするなら、いっそのこと死んでしまいたい」と思い詰める日々が続きました。
■唯一の相談相手、祖父
そんな困難の中で、唯一相談できた相手がいました。それは、私の母方の祖父でした。おじいちゃん子だった私は、彼にとても可愛がられていました。その祖父に「いじめを受けている」と打ち明けると、普段はニコニコ笑っている祖父が真剣な表情になり「辛かったなあ。気が付いてあげられなくてごめん」と言ってくれました。
■生きることの意味。そして今を生きる
また、祖父は「どんなに辛いことがあっても、生きている限り必ず良いことがある。また、君の周りには守ってくれる人がたくさんいる。先生や両親にも相談した方がいい」と励ましてくれました。その言葉に勇気をもらった私は、ついに先生や両親に打ち明けることができました。そのおかげで、いじめはなくなり、無事に生き延びることができました。
この辛い経験をもとに、私は現在、全国各地の学校で「いじめを無くす方法」「人を傷つけない話し方」「命の大切さ」をテーマにした人権講演会を開催しています。私のように辛い思いをしている人が少しでも減り、明るく楽しい、優しい笑いに包まれる世の中になることを心から願っています。
◆第3回人権・同和教育講座に林家染太さんが講師として登壇!
日時:9月18日(木)19時~
場所:総合文化会館
申込方法:電話または専用フォームから。
申込先:市庁舎本館3階 人権擁護課
【電話】0897-52-1460