- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県上島町
- 広報紙名 : 広報かみじま 2026年1月号
■海外侵入害虫チュウゴクアミガサハゴロモの発生
夏~初秋頃から町内のカンキツ生産者より畑で茶褐色の虫をよく見かける、枝に白いカイガラムシのような物が付いているという相談が複数あり、県内や近県の状況からチュウゴクアミガサハゴロモ(写真1)という中国原産の侵入昆虫と判断しました。
深刻な実害は見られていませんが、多種類の果樹に寄生・産卵するため農業害虫に位置付けられています。
今回はチュウゴクアミガサハゴロモとい昆虫について解説します。
(1)ハゴロモという昆虫
成虫は体長1cm前後のカメムシ目ハゴロモ科の小さな昆虫で、草木の樹液を吸って暮らしています。
形態はセミのような顔つきで、体に対して翅が大きくガのようにも見えます。驚くとピョンと跳ねるのが特徴で、アオバハゴロモという同種のハゴロモ科の昆虫は町内のカンキツ園で見ることがあります(写真2)。しかし、山沿いの雑木林近くのあまり農薬を散布しない園地での発生に限られ、今回発生しているチュウゴクアミガサハゴロモは農薬散布の影響もほとんどなく広範囲のカンキツ園で発生が見られています。
(2)チュウゴクアミガサハゴロモの生態
チュウゴクアミガサハゴロモは2017年(平成29年)に大阪府で国内初確認され、その後西日本で急速に発生分布が拡大しています。
成虫の体長は14mm前後で前翅(まえはね)が茶褐色から鉄さび色、羽の前縁に白斑があるのが特徴です。動きが俊敏で、夏頃から成虫が見られはじめ、緑枝や葉脈にふわふわの白いロウ物質で覆われ産卵痕が見られます。産卵痕は1直線に数センチの長さがあり、一見するとイセリアカイガラムシにも似ています(写真3)。卵からふ化した幼虫も同様に白いロウ物質に覆われています。国内にはアミガサハゴロモと命名される近縁種がいますが、カシ類(どんぐりのなる木)にしか生息しません。チュウゴクアミガサハゴロモはいろいろな樹種に生息できる雑食性のため分布の拡大が早い原因と考えられます。生態については不明な点が多く、昨年から町内の一部の園地で発生が確認されていましたが、今年になり広範囲で見られるようになりました。カンキツ園で発生が見られています。
(3)チュウゴクアミガサハゴロモの被害と対策
成虫・幼虫ともに枝に寄生して吸汁し、緑枝内に産卵するため枝の衰弱などが心配されます。しかし、すぐに枝枯れが発生しないので被害程度は分かっていません。また、寄生する密度が多くなると虫の排せつ物にすす病が発生するという報告があり、今後、発生密度が高くなってくると影響が出てくることも考えられます。
防除について愛媛県果樹研究センターによると、ダントツ水溶剤、アルバリン顆粒水溶剤、アークリン水和剤、テルスター水和剤の殺虫効果があるとの見解が示されています。
(4)さいごに
地球上で最も生息の多い生物は昆虫と言われており、物流や人の往来が頻繁であることから容易に海外から未知の昆虫が入ってくる可能性が高くなっています。
セアカコケグモやヒアリなど毒を持つ人体に影響を及ぼすこともあるので見慣れない昆虫を見つけたら、まずは県担当部署や町役場にご相談ください(しまなみ農業指導班岩城駐在【電話】75-2014)。
※詳細は本紙をご覧ください。
