- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県上島町
- 広報紙名 : 広報かみじま 2026年2月号
■農作物の生育と石灰資材
土の化学性の指標として土壌pH(どじょうペーハー)という土の酸性~アルカリ性を示す数値があります。野菜やカンキツ栽培の教科書には必ず石灰で土壌pHの調整をするように書かれています。今回は土壌pHの重要性と農作物の生育について解説します。
(1)土の酸性度と作物の生育
植物は、土に含まれる多くの養分が水に溶けた状態で根から吸収されます。
植物が必要とする養分は自然界から供給されるものと肥料や堆肥として人が与えるものがあります。
土壌pHは、多くの肥料成分の溶けやすさに影響し、5・0以下の酸性や7・5以上のアルカリ性になると溶けにくい成分が多くあります(図1参照)。作物の養分吸収の過不足は欠乏症や過剰症と呼ばれる生育障害(例…写真1)の原因となり、土壌pHは植物の養分吸収において重要な要素となります。
▽図1 土壌pHによる肥料成分の溶解度

(2)作物の好適な土壌pH
主要な農作物の好適な土壌pHは表1のとおりです。多くの農作物は、中性土壌(土壌pH6~7)でよく育ちますが、例外としてジャガイモやブルーベリーは弱酸性を好みます。
アルカリの土で栽培するとジャガイモでは、そうか病などの病気が発生しやすくなり、ブルーベリーは木が成長しません。
また、トマトやホウレンソウなどは石灰の利用度が高く、植え付け前に必ず石灰資材が必要です。
▽表1 主要作物の好適pH

(3)土壌pHの変化
上島町内の土質の大部分は花崗岩(かこうがん)という火山灰から形成された土のため、酸性化しやすい土質です。さらに、雨により土に含まれるアルカリイオンが水で流亡しやすく、また、化学肥料(酸性肥料が多い)の利用により酸性化が助長します。実際には、土の酸性度の測定を行い、土の状態をみることが必要です。例外的に石灰岩のある地域では逆にアルカリ化しやすい畑があり、弓削地区は過去に石灰石の採掘をしていたので例外的にアルカリ性の強い地帯(畑)が存在するかもしれません。
(4)石灰資材の使用上の注意
農業で使用する主要な石灰資材は、石灰を焼いて加水精製した消石灰、マグネシウムを混和した苦土石灰、生(焼)石灰、カキガラやアコヤガイなどの貝殻を粉砕した有機石灰(商品名…サンライムなど)などがあります。
生石灰は水と反応すると熱を発し、酸度矯正力が強く、土が硬化しやすいので一般の畑では使用しません。一般的には酸度矯正が緩やかな消石灰や苦土石灰、有機石灰が使いやすく、粉の資材が多いなか、粒状苦土石灰はまきやすい資材となっています。有機石灰は、酸度矯正だけでなく土の微生物が増加して土が柔らくなる効果があります。土壌pHをアルカリ側に1上昇させるためには10a当たり100kgが必要で、急激なpHの上昇を避けるため1回にまく量は10a当たり100kgが適量です。
また、有機石灰以外は肥料との同時・近接散布すると化学反応により肥料効果が低下する恐れがあるので、野菜では施肥の1~2週間前に土と混和し、果樹類では1月~2月の休眠期の施用が奨励されています。
どうしても施肥との同時・近接散布の際は有機石灰を使用します。
