くらし 令和7年度予算 まちに「みどり」を(2)

市は、今後10年の長期的なまちづくりの方向性を示す基本計画を昨年12月に策定しました。策定に当たり市民の皆さんに意見を募った結果、みどりや自然に関する声が多数寄せられました。これを踏まえ、今年度は、みどりがあふれ、誰もが元気に暮らす災害に強いまちを目指していきます。

■緑、花、アートがあふれるまち
天神ビッグバンや博多コネクティッドなどにより、都心部では耐震性の高いビルへの建て替えが進んでいます。
都市機能がますます充実していく今、さらにみどりやアートを取り入れ、市民の皆さんが潤いや安らぎを感じられるまちづくりを進めます。

○市役所などの公共施設の緑化
多くの人が訪れる市役所や区役所、市民センターなどの施設の壁面、出入り口、ロビーを緑化し、みどりあふれる空間を創出します。併せて、通勤や通学、観光などでの利用が多い市地下鉄天神駅、博多駅、福岡空港駅の改札口周辺にも緑の空間を創出します。
また、市民や企業と共働で植樹運動を展開する「都心の森1万本プロジェクト」を推進するため、市民の皆さんが取り組む緑化も支援します。

○フクオカフラワーショーを開催
市は、平成30(2018)年に「一人一花運動」をスタートしました。さらなる展開として、来年3月に花をテーマにした国際イベント「フクオカフラワーショー」を開催します。
期間中は、会場だけでなく、まちなかの店舗やビルを花で装飾し、博多駅~天神~舞鶴公園をつなぐ歩道などをチューリップ等で彩るなど、市民や企業の皆さんと一緒にまちを花でいっぱいにしていきます。

○アジア美術館の魅力を向上
福岡アジア美術館(博多区下川端町 リバレインセンタービル7階・8階)は、アジアの近現代美術を専門とする世界で唯一の美術館です。アジア各国の巨匠から今注目のアーティストまで、収蔵作品は幅広く、すでに5千点を超えています。
国際的に高い評価を受ける同美術館の所蔵品などに、市民の皆さんが触れる機会を増やすため、今年度末に廃止される警固公園地下駐車場の活用に向けた計画を策定します。

▽マンションやオフィスビルなどの緑化助成制度を創設
市は、緑化助成制度(グリーンビル促進事業補助金)を創設し、市民や企業の皆さんが緑化に取り組めるよう支援します。
マンションの居住者等がベランダを緑化する場合に、費用の50%(上限20万円)を、都心部のオフィスビルの所有者等が空地や建物を緑化する場合に、費用の50%(上限3,000万円)を助成します。
詳しくは、市ホームページ(「グリーンビル促進事業補助金」で検索)でご確認ください。
問い合わせは、みどり推進課(【電話】092-707-1295【FAX】092-733-5590)へ。

■みんなが暮らしやすいまち
子どもから高齢者まで誰もが自分の住む地域で安心して暮らせるよう、さまざまな支援を行います。

○学校給食費を無償化
2学期から、市立の小中学校、特別支援学校に通う子どもの給食費(小学生月額4200円、中学生月額5000円)を市が負担します。地元産の食材を積極的に取り入れ、栄養バランスの取れた給食を提供します。

○学校の体育館にエアコンを設置
近年の厳しい暑さの中でも、子どもたちが良好な環境で授業を受けられるよう、今後3年間で市立の小中学校、高校、特別支援学校の体育館にエアコンを設置します。

○帯状疱疹ワクチンの接種費用を助成
市は、今年度から帯状疱疹ワクチンを接種する際の費用の一部を助成します。対象者や接種料金など、詳しくは、本紙5面に掲載しています。

○産前・産後のサポートを拡充
市は、妊娠中、または産後1年未満の乳児を育てる世帯にヘルパーを派遣し、家事や育児を支援しています(有償)。対象者を「家族等からの支援を受けることができない人」から、「育児に不安や負担を抱えている人」に広げます。

○福祉の総合相談窓口を全区に設置
市は昨年8月、子育てや仕事、介護、医療のことなど、福祉に関するさまざまな相談に応じる「福祉の総合相談窓口」を博多区に開設しました。生活自立支援センターや地域包括支援センターなど関係機関等と連携してサポートを行っています。この取り組みを全区に広げます。

○民生委員・児童委員の活動をサポート
地域に住む人からのさまざまな相談に応じ、支援を行う民生委員・児童委員の活動費(交通費や通信費等)を増額します。
また、新しく就任した委員を退任した委員が一定期間サポートする制度を新設するなど、民生委員・児童委員が活動しやすい環境づくりを推進します。

▽ドリームナイト・アクアリウムを実施
障がいのある子どもの中には、その特性から水族館等を楽しむことができない人もいます。
市は、未就学の障がいのある子どもとその家族が、水族館で周囲に気兼ねなく過ごせるよう、マリンワールド海の中道(東区西戸崎)を閉館後に貸し切り、「ドリームナイト・アクアリウム」を実施します。
子どもが感情やストレスが高まった時に気持ちを落ち着かせるための空間(カームダウンスペース)を設けます。また、音や光に敏感な子どものために、イヤーマフや遮光グラスを貸し出します。