くらし 先輩から、タスキを繋いで。

鞍手高校 放送部 NHK杯全国放送コンテスト優勝と次の大会へ向けて

■全国大会を終えて「NHK杯全国高校放送コンテスト」(通称:Nコン)の決勝が7月、東京のNHKホールで行われました。全国の放送部員が技術を競い合う中、鞍手高校放送部はアナウンス、朗読、ラジオドキュメント、テレビドキュメント、創作ラジオドラマ、創作テレビドラマの6部門全てに出場しました。そして、創作テレビドラマ部門では、同校の作品『猪突盲信』が見事に優勝を果たしました。この部門での同校の優勝は、昨年に続き、2年連続となります。今回は、引退した3年生からタスキを引き継いだ1・2年生を取材し、Nコンの感想と秋に控える「福岡県高文祭」に向けての意気込みを伺いました。

■優勝作品『猪突盲信』に込められた想い優勝を果たした創作テレビドラマ『猪突盲信』は、引退した3年生が中心となり、脚本、監督、撮影、編集等全てを手掛けた生徒主体の作品です。制作は4月下旬から始まり、担当の生徒が温めていたアイデアを元に脚本を執筆。撮影、録音、編集作業はわずか1週間ほどで一気に仕上げられました。1・2年生は役者やサ先輩から、タスキを繋いで。鞍手高校放送部NHK杯全国放送コンテスト優勝と次の大会へ向けてポートとして、作品に携わりました。出演した西にしも元と喜きぼう望さん(2年生)は、「感情表現が難しくて苦労しました。NHKホールで自分の演技がウケた時は、嬉しさと恥ずかしさが入り混じった感覚になりました」と振り返ります。昨年のNコンにも参加した田たなか中夢ゆ来らさん(2年生)は、「全国大会のレベルの高さを肌で感じることができ、非常に良い経験になりました。技術面では自分たちに足りない部分が見えて、課題が明確になりました」と語りました。また、他の部員たちからも、「次の作品に向けて、Nコンの会場で他の出場校を取材している学校もいて、その発想力や取材の大切さを学んだ」「SNSで他校の生徒と繋がり、作品交換を約束した」等の声が聞かれ、先輩たちから受け継いだ精神や技術をさらに広げ、全国の強豪校からも多くを学ぶことができたようです。CHECK創作テレビドラマ部門2年連続優勝Nコンでのインタビュー、今年度優勝作品・創作テレビドラマ『猪突盲信』はこちらから

■生徒たちを支える指導者鞍手高校放送部を17年連続でNコンに導いている顧問の中山英治先生は、2年連続の創作テレビドラマ部門優勝の要因について次のように話しました。「生徒たちの発想力がずば抜けていたこと、そして何より生徒同士の仲がとても良かったことが大きいです。昨年も今年も、脚本担当の生徒は『当て書き』※という手法を使っています。これは普段から生徒同士で良いコミュニケーションが取れていて、お互いの個性を理解しているからこそできることです」また、中山先生は「過去の偉業を気負う必要はないが、先輩たちが積み上げてきた技術や想いが、今の土台になっていることも忘れずにいてほしい」と生徒たちに優しく語りかけました。※『当て書き』とは、特定の俳優や出演者を意識して、その人物の個性や才能を最大限に生かせるようにセリフや演出を練り上げる脚本作成法です

■未来に向け、前進生徒たちは今秋の「福岡県高文祭」に向けて、日々作品づくりに励んでいます。テレビドラマ作品の制作はもちろんのこと、アナウンスや朗読等、他の部門の練習にも手を抜きません。「福岡県高文祭」を突破した後は、「全九州高等学校総合文化祭(九州高校放送コンテスト)」に挑戦します。「番組部門では上位を目指し、もちろん他の部門でも九州高校放送コンテストを目指して頑張ります!」と、元気いっぱいに目標を掲げていました。CHECK第72回NHK杯全国高校放送コンテスト鞍手高校受賞作品創作テレビドラマ部門優勝『猪突盲信』創作ラジオドラマ部門入選『シャイン・ブリンガー』テレビドキュメント部門制作奨励賞『Realize』朗読部門入選田原ゆいさん(3年生)テレビドラマだけではなく、他部門も受賞している鞍手高校放送部‼今後の活躍に目が離せません。CHECKFMちょっくらじお(86.1MHz)で放送中!高校生ラジオちょっくら青春見聞録年6回放送直鞍エリアの5つの高校を紹介する番組。毎回各校からゲストをお迎えして、それぞれの高校の魅力を発信しています。メインMCは鞍手高校放送部‼高校生がお届けするラジオ番組です。次回放送日は10月25日(土)予定