健康 田川市立病院 NEWS LETTER VOL.52 冬号(1)

◆基本理念
地域(患者・かかりつけ医・住民・職員)の求めに応え、安全・安心な医療を支えます

■[特集]外科
回復を、見据えて。
~患者さんの負担が少ない手術を~

◆腹腔鏡手術
腹腔鏡手術は手術後の傷が小さく、出血量も抑えられ、手術を受ける患者さんの負担が少ない(低侵襲である)ことが特徴です。
◇田川市立病院の外科治療
田川市立病院の外科は、田川地域の外科急性期医療の担い手として診療を行っています。
胃がんや大腸がんを代表とする消化管悪性腫瘍をはじめ、胆嚢がんや膵臓がんなどの肝胆膵系悪性腫瘍のほか、良性疾患である鼠径ヘルニア、胆石症、急性胆嚢炎、虫垂炎、腸閉塞、胃十二指腸潰瘍穿孔などの疾患も積極的に手術を行っています。

◇腹腔鏡手術の普及
現在の消化器外科手術は、腹腔鏡手術がほとんどの疾患で第一選択となっています。当科で扱う悪性腫瘍で最も多い大腸がんを例にとると、全国統計では大腸がんに対する腹腔鏡手術の件数は平成14年4月の進行大腸がんに対する腹腔鏡手術の保険適用以後急速に増加し、開腹手術は著明に減少しています。大腸がんに対する腹腔鏡手術の割合は、平成20年は33%でしたが令和3年には83%であったと報告されています。これらの傾向を踏まえ、当科の大腸がん手術は、大腸がん治療ガイドラインに基づいて手術適応を決定しています。令和6年の切除症例では69%が腹腔鏡手術となりました。

◇腹腔鏡手術の特徴
腹腔鏡手術は手術後の傷が小さく、出血量も抑えられ、手術を受ける患者さんの負担が少ない(低侵襲である)ことが特徴です。しかし一方で、特有の器具による細かな操作を必要とするため、手術時間等に執刀者の技術の差が出やすい傾向があります。
日本内視鏡外科学会の技術認定制度は、ビデオ審査で基準を満たした術者を技術認定医と認定していますが、当科では2人の医師(高橋と丸山)がこの資格を取得し技術面での研鑽を確実に行いながら腹腔鏡手術を提供しています。

◇遠隔手術指導等の取組開始
当院では、令和7年3月から、腹腔鏡手術における遠隔手術指導の取組を始めました。このシステムは、腹腔鏡手術のモニター画像、音声を九州大学病院とリアルタイムで共有しながら手術を進めていくシステムです(大学病院がモニター画像へ線を記入し音声でコメントを入れ、術野の展開や手術の切離線を決めるなど)。
福岡県の外科医確保のために始まったプロジェクト(遠隔手術指導支援事業)ですが、このシステムを導入することで、次の利点があります。

(1)大学病院と同じレベルの手術を田川市立病院で提供できる。
(2)経験豊富な外科医が執刀する場合、難しい症例を1人で悩まず相談しながら進めることで、術者に余裕ができ、より安全に治療が完遂できる。
(3)若手外科医が執刀する場合、複数の指導者から指導を受けることができ、質の高い技術修練を積むことができる。

現在まで難易度が高い進行大腸がんを中心に月1〜2例の頻度で行っており、今後も患者さんの病状に応じて遠隔手術指導を取り入れたいと考えています。

▽遠隔手術指導イメージ
九州大学病院研究室
遠隔で助言

リアルタイムで画像を共有

田川市立病院手術室
助言も踏まえ腹腔鏡手術を行う

▽外科スタッフ
・高橋 郁雄(たかはし いくお)(院長補佐)
昭和63年卒
[専門分野]
消化器外科、内視鏡外科、固形癌薬物療法

・庄野 禎久(しょうの ただひさ)(部長)
平成3年卒
[専門分野]
脳神経外科

・丸山 晴司(まるやま せいじ)(部長)
平成8年卒
[専門分野]
消化器外科、肝胆膵外科

・宮﨑 智也(みやざき ともや)(医員)
平成5年卒

・鴻江 俊治(こうのえ しゅんじ)(病院事業管理者)
昭和56年卒
[専門分野]
消化器外科

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