- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県行橋市
- 広報紙名 : 広報ゆくはし 令和7年6月号
防災の新たなキーワードとして注目されているのが「Self Survive(セルフサバイブ)」という考え方。
これは単なる備蓄や避難経路の確認にとどまらず、自らの判断と行動によって生き延びる力を養うことを意味します。災害時には一人ひとりの備えが何よりの命綱。セルフサバイブを合言葉に、あなた自身と大切な人の命を守る準備を、今こそ始めよう。
【ID】0031633
南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域とした大規模地震です。これまで100~150年の周期で大規模な地震が発生しています。地震調査研究推進本部の長期評価によると、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は80%程度(令和7年1月1日現在)とされています。
3月に国が公表した新しい被害想定では、M9クラスの地震が起きた場合、最悪ケースで死者約30万人、負傷者が約95万人、建物の全壊が約235万棟、3600万人超が断水に見舞われ、2900万軒超が停電。経済被害は約270兆円と見込まれています。
福岡県内の被害想定は、死者約200人、建物の全壊が400棟、12000人が断水に見舞われ、100万軒が停電するとされています。また、行橋市の津波想定は4m、最大震度は5強となっています。
一方で、地震直後に避難を開始する住民の割合が高くなり、さらに津波情報の伝達や避難の呼びかけがより効果的に行われた場合には、想定に比べて約8割の被害軽減効果があると推計されています。
◆巨大地震は時間差でやってくる
南海トラフ沿いでは、時間差で巨大地震が発生した事例が知られています。南海トラフ沿いの8事例の大規模地震のうち、少なくとも5事例は東側・西側の両領域がほぼ同時若しくは時間差をもって破壊しています。いわゆる「半割れ」です。
また、世界の事例では、マグニチュード8以上の地震発生後に、隣接領域でも同程度地震が発生した事例は、103事例中、7日以内に7事例、3年以内に17事例となっています。
1707年 宝永地震 全割れ
1854年 安政東海地震 半割れ
1854年 安政南海地震 半割れ
1944年 昭和東南海地震 半割れ
1946年 昭和南海地震 半割れ
1854年の「安政東海地震」と「安政南海地震」が32時間後に発生している一方、「昭和東南海地震」と「昭和南海地震」はそれぞれ1944年と46年と、2年の時間差があります。
■1 運命は準備と情報で決まる
正しい心構えと確かな情報収集の備え、この2つが災害時の「生き抜く力」を支える柱です。
◆情報は取りに行く時代、臨時情報に注意
南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ地震発生の可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると評価された場合などに、気象庁から発表される情報です。住民、自治体、企業などが後発地震に対する防災対応をとるために、令和元年(2019年)5月から運用が開始されました。
南海トラフ地震臨時情報は、住民などが防災対応をイメージしやすいよう「調査中」「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」の4種類のキーワードのいずれかを付けて発表します。
昨年の8月8日、宮崎県沖の日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生し、運用開始後初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が気象庁から発表されました。今後、また臨時情報が発表されたときに焦らずに行動するため、「自らの行動を自ら考え、臨時情報発表時の行動をあらかじめ決めておく」ことが重要です。
国や市から、キーワードに応じた防災対応が呼びかけられますので、呼びかけの内容に応じた防災対応をとってください。
◆正確な情報源を
市の防災情報を受信するのはLINEが便利。
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