- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県太宰府市
- 広報紙名 : 広報だざいふ 令和7年3月1日号
◆韓国の引っ越し文化
太宰府市国際交流員 金辛泫(キムシンヒョン)
新年度が始まるまであと1カ月。引っ越し準備の真っ最中の人、すでに太宰府へ引っ越してきた人もいるかもしれませんね。毎年4月から新年度が始まる日本と違い、3月から新年度が始まる韓国では、もう引っ越しは終わっている時期です。韓国の代表的な引っ越しシーズンは2月です。そのため、2月に韓国へ行くとたくさんの引っ越し風景が見られますが、その中で珍しいと思われるのが「(サダリチャ)・はしご車」です。
はしご車とは、高い場所に荷物を上げるためのはしごを備えた車両です。韓国では引っ越しのとき、はしご車のはしごに荷物をのせて、ベランダや窓から荷物を出し入れして作業を進めます。
はしご車を使うようになった背景には、1960年頃、韓国の都市化が始まり多くの人が都市に集まり、マンションに引っ越す人の数が増えたことがあります。この頃のマンションにはエレベーターがないことが多く、あっても狭くて荷物をのせることができませんでした。そこで、引っ越し業者が荷物を効率良く運ぶために考え出した方法が、建設に使われていたはしご車を使うことでした。
この他にも、引っ越し荷物の梱包から荷ほどきまでを引っ越し業者が全て請け負う「梱包引っ越し」と併せて、現在の韓国の引っ越し文化が完成されました。
※韓国語のハングル表記は本紙P.17をご覧ください。