くらし 巻頭記事 人が動けば まちが動く(2)

◆福丸夏祭り実行委員会 実行委員
塩川 晋司 Shinji Shiokawa

家族で楽しめる出店や多彩なステージイベントでにぎわいを生む福丸夏祭り。そこには、地域の活性化を目指し、山笠との連動や若い世代の参画促進、補助金の活用など、多くの挑戦と工夫、そして地域への熱い想いが込められていました。にぎわいの裏にある努力と、地域が抱える課題への挑戦を描きます。

◇地域のにぎわいづくりを
「今年の夏祭りは、とにかくにぎわいづくりを一番のテーマに掲げました。子どもからお年寄りまで楽しめる内容にしたいと思って、いろんな工夫をしてきたんです」。
そう話すのは、福丸夏祭りの運営に携わる塩川さん。祭りを通して地域を元気にしようと、準備の段階から多くのアイデアを形にしてきました。
「特に子どもたちやファミリー層に楽しんでもらえるように、今年はキッチンカーを五台に増やして、リンゴ飴やホットドッグ、ピザなど子どもの好きなメニューを強化しました。お祭りって、やっぱり『おいしい、楽しい』が一番印象に残りますからね。
そして、ステージイベントも充実させました。今年は地元のスポーツクラブ紹介やこだまこども合唱団による歌唱、レインボーカンパニーによる公演など、子どもたちの活動を地域の人に知ってもらうきっかけの場にする予定です。ほかのイベントと比べ出演者との距離が近いため、迫力抜群です。見て楽しむだけじゃなく、出て楽しむ場にもなるように意識した構成にもしています。舞台に立つことで、祭りが『自分のこと』になるんですよね。
また、アクセス面にも配慮し、来場者にやさしい環境づくりを進めました。今回は旧若宮小学校のグラウンドを臨時駐車場にして、少しでも車で来やすいようにしました。こうした小さなことの積み重ねが、結果的に『行ってみようかな』と思える雰囲気づくりにつながると感じています」。

◇夏祭り×地域活性化
「夏祭り単体ではなく、地域での連動も意識しています。今年も福丸祇園祭と同じ日程で開催することで、『山笠のついでに祭りにも顔を出そう』『出店があるから、少しゆっくりしていこう』といった、自然な流れを生み出すことができました。その結果、まちがにぎわい、地域全体に相乗効果をもたらす形になりました。台風のリスクや予算の制約、人手不足など、運営面での課題は年々増していますが、だからこそ今、若い世代を巻き込みながら支える仕組みづくりがより重要になっています。長年の悩みであった資金面についても、『まちづくり・人づくり事業等補助金制度』の活用が大きな支えとなりました。市の補助金のおかげで、ステージ機材のレンタル費用や舞台設営にかかる費用など、運営の根幹部分の負担を軽減することができました。地域からの寄付や実行委員会による自助努力だけでは限界があるため、行政からの支援を適切に組み合わせていくことが、今後の安定した祭り運営の鍵を握ると感じています。
地域のにぎわいと活性化、そして未来へのバトン。そのすべてを夏祭りに込めて、『夏と言えば福丸夏祭りだよね』と言われるように、これからも宮若を盛り上げていきたいです」。

地域の活力を育む「まちづくり・人づくり事業等補助金制度」は、市民団体や地域の取り組みを後押しする宮若市の支援制度です。その財源には、市内各所に設置された「宮若市まちづくり支援自動販売機」の売上の一部が活用されています。飲み物を買うことが、地域の未来への投資につながる。そんな仕組みをご紹介します。

◆まちづくり・人づくり事業等補助金制度
まちづくりを目的とする取り組みや、スポーツや文化などで、将来の宮若市を担う人材を育成することを目的とする取り組みに補助金を交付する制度として、『まちづくり人づくり事業等補助金制度』があります。
補助金額などの詳細は、市公式ホームページをご確認ください。
対象:
・市民…市内在住の18歳以上の人
・団体…政治、宗教、営利などを目的としない5人以上で組織される団体(ただし、半数以上が市民であること)
・少年…市内在住の小学生から18歳までの人
・少年団体…スポーツ・文化などを通じ、少年の健全育成を目的として組織されている団体(ただし、半数以上が市民であること)
対象となる事業:人材育成事業、まちづくり事業、スポーツ・文化振興事業、全国大会出場
申請方法:事業開始の30日前までに、必要書類を本庁秘書政策課に提出

問い合わせ:本庁政策推進係
【電話】32・0512

◆宮若市まちづくり支援自動販売機
飲料水などの売り上げの一部が市に寄付される『宮若市まちづくり支援自動販売機』を設置しています。
公共施設内や公園など、市内33ヵ所に設置しています。飲み物を買うことで市のまちづくりを応援できる募金箱として、積極的なご利用をお待ちしています。
設置場所:
・宮若市役所本庁舎
・西鞍の丘総合運動公園(芝生フィールド、西駐車場、多目的広場)
・陽の浦団地
・石炭記念館
・宮若市交通公園
・若宮コミュニティセンター「ハートフル」
・市民体育館
・中央公民館若宮分館(駐車場)
・生涯学習センター「宮若リコリス」
・光陵グリーンスタジアム(スタンド内、玄関横、トイレ横)
・光陵グリーンパーク(多目的屋内施設、多目的グラウンド、クラブハウステラス)
・宮田隣保館
・なびきホール
・宮田文化センター
・光陵団地(ワンダーパーク)
・猫塚公園
・2000年公園
・マリーホール宮田

問い合わせ:本庁政策推進係
【電話】32・0512