子育て あさくらびと No.43

地域で話題になっている人や団体、企業などを紹介するシリーズ。
第43弾は、きたの小児科医院の北野明子さんを取材しました。

■Interview
きたの小児科医院 院長 北野明子さん
神奈川県生まれ。九州大学医学部卒業後、同大学病院小児科へ入局。南アフリカ共和国への留学や福岡市立こども病院での勤務を経て、昭和61年に「きたの小児科医院」を開業。
令和6年、長年にわたり地域医療に貢献した医師を顕彰する「第12回日本医師会赤ひげ大賞」を受賞。地域初の病児保育室の開設や医院の周りに保育園・親子支援館を併設するなど、子育て環境の改善に取り組む。

■親子みんなで心身ともに健康へ
◇地域と共に約40年
昔から子どもが好きで、人と関わる仕事がしたいと思い小児科医の道へ進みました。大学卒業後は結婚し、都市部での勤務医や南アフリカ共和国への留学を経験。その後、昭和61年に夫の実家がある甘木で小児科医院を開業しました。
開業に伴い甘木へ移住し、朝倉の地で診療を続けて約40年。開業当初の診察数は少ない日で13人程度でしたが、現在は1日に80人以上を診察しています。今まで患者だった子どもが大人になり、今度は自分の子どもを診察に連れてきてくれるなど、長い年月をかけて、地域の皆さんとの信頼関係を築くことができたと思います。病気がちだった子どもたちが成長し、大人になったたくましい姿をまちで見かけると、いつもうれしく感じます。

◇地域初の病児保育室を開設
勤務医時代、3人の子どもの育児と仕事との両立には苦労しました。特に子どもが熱を出した時などは、看病しないといけませんが、そう簡単に仕事は休めません。このような経験もあり、病児保育の必要性を痛感。開業後、平成12年に県から打診があった際は、すぐに手を挙げました。また、現在は広域で利用できる病児保育ですが、開設当初は朝倉市民のみが対象。そのため、広域の病児保育ができる企業主導型の保育園を併設し、他市町村の人でも子どもを預けられるようにしました。
以前から、子どもに関連する施設などを医院の周りに集約したいという思いがありました。そのため、不登校や虐待などの社会問題が表面化するようになった際は、親子支援館も開設しました。これまで、ぜんそくや食育、肥満の子どもに対する体育教室などを開催。親子が心をリフレッシュでき、子育てなどの悩みを共有できる場を提供してきました。

◇親子で心身ともに健康へ
充実した子育てを行うためには、まず親が健康で心に余裕があることが重要です。日々、子どもたちを診察する中で、ワクチン接種の推進や栄養指導、禁煙外来など、親への啓発も行ってきました。子どもの生活環境をより良いものにするため、自身の経験をもとに、できる限りのアドバイスをしています。
診察や治療の仕方は時代とともに変化していきますが、患者に寄り添ったきめ細かい医療の提供は、これからも変わらず続けていきます。

■きたの小児科医院(場所:屋永1770-1【電話】23-1177)
診療受付時間:
[平日午前]8時30分~12時(受付は8時~)
[平日午後]14時~17時(ロタワクチンは午前中と14時~14時30分)
[土曜]8時30分~12時
※HPの詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

◇病児保育について(要予約)
対象:乳児~小学6年生
対象地域:朝倉市、久留米市、小郡市、筑前町、大刀洗町、うきは市、東峰村など
利用日時:月~金曜日の9時~17時
※詳細はきたの小児科医院HPをご覧ください。
※市の病児保育(病後児保育)事業などの詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

■病児保育併設型小規模保育施設ピ ッコロ保育園
食育や予防接種推進、心理面でのサポートなどを考慮しつつ、健やかな子どもたちの成長のお手伝いをします。

■すこやか親子支援館 ピッコロ
親と子どもが、安全で安心して過ごせる空間。絵本の読み聞かせやピアノ教室、バレエ教室を開催しています。お気軽にご来場ください。