- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県遠賀町
- 広報紙名 : 広報おんが『おんがのおと』 令和7年5月号
■数字でわかる!遠賀町はがんの人が多い!?
▽11人に「がん」が見つかる
令和6年度のがん検診で、胃がん(3人)、肺がん(1人)、大腸がん(2人)、前立腺がん(5人)、計11人にがんが見つかりました。
また、令和5年度の診療の記録で見ると、遠賀町の千人当たりのがん患者件数は、県内60市町村の中で
・大腸がんの入院件数 1位
外来件数 9位
・胃がんの外来件数 2位
・全てのがんの入院件数 3位
という結果が出ており、遠賀町はがんの患者数が多いことが分かります。
定期的な検診でがんを発見できた人は早い段階で治療につながりやすいですが、初期のがんは自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行してしまっていることも……。「症状がないから」と安心するのは危険です。
■先生、教えて!がんと検診の実態
おんが病院の藤医師にお話を聞いたよ
遠賀中間医師会 おんが病院 がんケアセンター長 藤 也寸志 Tou Yasushi
※肩書きは令和7年4月時点のものです。
▽がん患者は増えている?
がんは高齢者に多い病気であり、高齢者が増えるとがん患者も増える傾向にあります。今後も高齢者の増加に伴い、がん患者も増えていくことが予測されます。
ただし、日本人の2人に1人が経験するといわれるほど、がんは大変身近な病気ですし、子宮頸がんなど、30代~40代に増えているがんもあるため、若い世代も関心を持ってもらいたいですね。
▽がんはどのように見つかる?
がん検診や人間ドックで見つかる場合もありますが、症状が出てから病院を受診して発見されることが多い印象ですね。
自覚症状がある場合、検診で見つかるよりもがんが進行しているケースがはるかに多いので、定期的な検診や早めの検査で、早く気づくことが望ましいです。
▽がんに備えるためには?
正しい知識を持つことが大切ですね。
まず、がんは早く見つかればきちんと治る病気です。早く見つかれば治療も楽なことが多い。「がんが見つかるのが怖いから」と検診や検査を受けないという人もいますが、必ずしも「要精密検査=がん」ということではありません。
検診や検査は「オーバーにひっかけるもの」と思って、怖がらずに受けてほしいです。
また、がんは次のような普段の心がけでリスクを減らすことができます。
1.禁煙する
2.節酒する
3.食生活を見直す
4.体を動かす
5.適正体重を維持する
この5つを実践した場合、どれか1つのみを実践した人や何もしなかった人に比べて、がんになる危険性が40%も低くなることが分かっています。がんに限らず、全ての生活習慣病予防に効果があるので、ぜひ実践してもらいたいですね。
■みんな不安…もしもがんになったら
▽不安なときは…
正しい情報を集めること、そして、一人で抱え込まず相談することが大切です。
世間には科学的根拠のない治療法など、さまざまな情報があふれているので、国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」サイトなどで正しい情報を得てほしいです。
また、がん診療連携拠点病院となっている病院などには「がん相談支援センター」が設置されており、無料で相談できます。
遠賀・中間地域ではおんが病院の「がんケアセンター」が相談窓口の役割も担っているので、不安なことは相談してください。
▽治療のために必要なことは?
自分の状態を知り、家族や医師と話をすること。医師と患者・家族の垣根をなくして、しっかりと話しながら治療を進めるのがこれからのがん医療だと思っています。
■まとめ
・がんは“不治の病”ではなく“早く見つかれば治る病気”です。
・怖がらないで、検診・検査を受けましょう。
・正しい情報を得て、すぐに相談しましょう。
※がん情報サービス、がん相談支援センターの二次元コードは、本紙をご覧ください。
■おんが病院がんケアセンターQandA
がんに関する総合的な支援体制が整備された「がんケアセンター」では、地域に密着したがん医療を提供しています。
Q:どうしておんが病院にできたの?
A:遠方のがん専門病院へ行くことが困難な高齢者や、働く若い世代の患者などへのサポート体制を整える必要性から、遠賀・中間地域になかった、がんケアの拠点として開設されました。
Q:どんな人が来ているの?
A:何度も通院が必要ながん薬物療法で治療中の人、がん治療の影響で体調管理が難しくなった人、がん手術後で体調の定期的な経過観察が必要な人など、さまざまです。治療だけでなく、がんに関するあらゆることを考えて、患者本人や家族をサポートしています。
Q:どうやってケアするの?
A:医師だけでなく多職種でチームを結成し、それぞれの専門知識や経験を生かして、患者に寄り添いながら正しい情報を提供するなど、常にがんケアのレベルアップを図っています。
■遠賀町のがん検診・がんケア事業
「詳しくは遠賀町ホームページで確認してね」
▽ー小児・AYA世代がん患者在宅生活支援事業ー
若い世代のがん患者の身体的・経済的な負担を軽減することで、住み慣れた自宅で安心して生活できるように、必要なサービスの費用を助成しています。
対象:40歳未満のがん患者
対象サービス:訪問介護、訪問入浴介護、福祉用具の貸与・購入など
助成額:サービス利用料の9割(上限あり)
▽ーアピアランスケア推進事業ー
がん患者の心理的負担を軽減し、社会参加を促進するため、医療用ウィッグや補整具などの購入費用の一部を助成しています。
対象:がん治療を受けた、または現在受けている人
助成額:購入金額の半額(上限あり)
▽ー住民健診(集団健診・個別健診)ー
胃がんや肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮頸がんなどの「がん検診」を受けることができます。
住民健診でのがん検診は通常よりも安く、個別健診よりも集団健診がさらにおトク!
また、集団健診では、血液検査や尿検査などの「基本健診」も同時に受診することができます。Webまたは電話で事前に申し込み、ぜひ受診してください。
申し込み:健康対策係【電話】093-293-1253
「どんな病気も早期発見が大切だよ!がんをはじめ、生活習慣病の予防には住民健診がうってつけ♪年に一度の健康チェックにぜひ活用してね!」
問い合わせ:健康対策係
【電話】093-293-1253