- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県有田町
- 広報紙名 : 広報有田 2025年3月号
笑うことは気持ちを安定させるだけでなく、心身ともにいくつもの効果があることが医学的にも注目されています。
今回は多くの現場でカウンセラーとして活躍されている児玉真也さんに笑うことの大切さについてお話を伺いました。
■どんな時もニッコリ笑顔!
有田町こころの相談臨床心理士 児玉真也(こだままさや)さん
突然ですが、最近いつ笑いましたか。お腹の底から笑うと心も体も元気になった気がしませんか。
笑うことは、幸せな気持ちをもたらし、気持ちを安定させる他にもさまざまな効果があります。
▽笑うことで免疫アップ
笑うことでウイルスに感染した細胞やがん細胞を破壊・抑制するリンパ球の一種「NKNK(ナチュラルキラー)(細胞」が活性化されます。NK細胞が活性化すると免疫力がアップし、感染症などの疾病に対する免疫力が高まります。
▽脳が活性化
脳の海馬(かいば)という部位は、新しいことを学習するときに働く器官です。笑うと活性化されて、記憶力がアップします。また、笑いによって脳波のアルファ波が増えて脳がリラックスするほか、意志や理性をつかさどる大脳皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。
▽血行促進・筋力増加
思いきり笑った時の呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態といわれています。体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなって新陳代謝も活発になります。また、腹筋や横隔膜、顔の表情筋をよく動かすので、多少ながら筋力を鍛えることにもなります。
▽自律神経のバランスが整う
笑うと、心身を緊張させている交感神経モードから、リラックスする副交感神経モードに切り替わり、自律神経のバランスが整ってきます。
▽幸福感と鎮痛作用
笑うと脳内ホルモンのエンドルフィンが分泌されます。この物質は幸福感をもたらすほか、モルヒネの数倍の鎮痛作用もあります。
▽「笑い」のコツとは?
いくら心や体によいといっても、意識して笑うのは難しいものです。テレビや映画、動画などを見るのも限りがあります。「笑いのコツ」は、日頃から自分でおもしろいモノ、コトを探すことです。中でも自分や半径5メートルの身近な人たちの失敗談や短所などは笑い話になりやすく、何か失敗したり嫌なことがあっても、「これは使える」と思えばくよくよと考えにくくなります。
特におもしろいことがない、探すのが苦手だという方には、つくり笑顔がおすすめです。つくり笑いを続けてもNK細胞が活性化するという実験結果があります。毎朝、意識して口角を上げて「笑って」みましょう。大切なのは「笑う」という動作をすることです。
■相談窓口
有田町役場健康福祉課保健師【電話】43・5065(平日8時30分~17時15分)
佐賀いのちの電話【電話】0952・34・4343(毎日24時間)
佐賀県自殺予防夜間相談電話【電話】0120・400・337(毎日23時~5時)
佐賀こころの電話【電話】0952・73・5556(平日9時~16時)
佐賀県精神保健福祉センター(要予約)【電話】0952・73・5060(平日9時~16時45分)
伊万里保健福祉事務所【電話】23・2101(平日8時30分~17時15分)
(参考サイト)サワイ健康推進課「笑いがもたらす健康効果」