くらし 《地域特集》 kon-ne 松浦

■「この店に行きたい」が溢れるまちに
松浦市志佐町 松尾農園 Matsuo Nouen + Coffee
松尾秀平(まつおしゅうへい)さん、絵里香(えりか)さん

松浦市の中心街、国道沿いの一角にある種苗園芸店「松尾農園」。3代目の松尾秀平さんは10年前、店の向かいに地元の野菜の直売所を兼ねたコーヒースタンドを妻の絵里香さんと共にオープン。厳選された種子や苗と、香り高いコーヒーを求め、市内外から多くの人が訪れています。
秀平さんは松浦市生まれ、長崎大学水産学部に進み、同大学管弦楽団に入部。そこで絵里香さんと出会いました。卒業後、佐世保市の大手通販会社で働き、商品の魅力を伝えることの楽しさと、効率よく業務を改善する面白さを学んだそうです。5年後、起業を目標に、絵里香さんを連れて松浦市にUターンしました。
当初、家業の種苗園芸店を継ぐつもりはなかったようですが、「地元で働くうちに、松浦を盛り上げたい」という地元愛が強くなったそうです。30歳の時に父親から事業を承継し、夫妻でコーヒー店も立ち上げました。「地元に人が集まる場所が欲しいと思ったのと、種屋だけでは出会えない人と出会えそうだったから」と語ります。
知人からは「100円でコンビニコーヒーが買える時代に、何百円もするコーヒーは売れない」と心配されたそうです。しかし、ふたを開けてみれば「松浦にない新しい店」として、地元の人からも喜ばれています。コーヒー店では夫妻と親交がある地元の農家の方が作った野菜も販売しています。
松浦市は全国一のアジの水揚げ量を誇っています。2019年、市は地域おこしにつなげようと「アジフライの聖地」を宣言しており、コーヒー店ではアジフライのグッズを販売。口コミや交流サイト(SNS)で広がり、観光客の立ち寄りスポットとしても定着しています。
コロナ禍ではテイクアウトの利用者が増加したほか、一つ一つの種の特徴を丁寧に説明し、客のニーズに合った種を販売する種苗園芸店のオンライン販売の利用者も増加。コロナ禍が明けると、オンライン販売の常連客が遠方から訪れるようになったといいます。「松浦にも全国を相手に商売ができる店や、この店に行きたい、楽しいと思ってもらえる個性のある店が増えたらいい」と話します。
今年3月には、店から車で2分ほどの場所に最新式のオシャレなコインランドリーと個人事業主を対象にしたテナント施設をオープン。夫妻はその一角でおむすびのテイクアウト店「こより屋」も営みます。
「今後は松浦で新しい挑戦の種をまきたい人のために、その土台となる土作りをしたい」と笑顔で語ります。

○大崎海水浴場
透明度の高い青い海とさらさらの白い砂浜が魅力の海水浴場。透き通った海で泳ぐのはもちろん、ウインドサーフィンやカヤック、サップなどのマリンスポーツも楽しめます。夕日の絶景スポットとしても人気です。

○松山田浮立(ふりゅう)
肥前西部の舞浮立の流れで、鉦(かね)の演奏が主体の浮立です。道行きと彦山(ひこさん)神社の境内で奉納します。現存する鉦には明治5年の銘(めい)が記されており、保存会が継承しながら、調川小・中学校の児童・生徒へ伝承しています。

◆新鮮な朝締めのブリ丼
○道の駅 松浦海のふるさと館
お薦めは朝締めの松浦産養殖ブリを使った「ブリ丼」です。平日180食、休日500食をお弁当として販売しています。新鮮なブリは絶品!箸で持つとプルプル、口に入れるとコリコリで、甘みが広がり、酢をしっかり利かせた酢飯がよく合います。

ところ:松浦市志佐町庄野免226-30
営業:8時~19時
※1月1日のみ8時半~12時
【電話】0956-72-2278

◆元軍の兵器「てつはう」を最中(もなか)に
○岩元製菓舗
松浦にゆかりのある元寇(げんこう)で元軍が用いた炸裂(さくれつ)弾「てつはう」をモチーフにした「てつはう最中」。ころんと丸い皮の中には、海底遺跡にちなみ、塩で味を引き締めた白あん、細かく刻んだ栗・芋・小豆の蜜漬けをぎゅっと詰め込んでいます。

ところ:松浦市志佐町浦免1276
営業:9時~19時
※水曜定休
※日曜は17時まで
【電話】0956-72-0331

◆[表紙のコト]青島
松浦市の松浦(御厨)港からフェリーで20分ほどの漁業が盛んな島。島の豊かな自然を満喫できる民泊などの体験型観光が2003年にスタートし、現在も修学旅行生など多くのお客さんが訪れています。
「手ぶらで参加できる船釣りや、アジフライなどの郷土料理が楽しめます。夏場はきれいな砂浜が広がる宝の浜海水浴場もお薦めです。県内の皆さんもお気軽にお問い合わせいただきたいです。(青島体験振興会の山下会長)」

まつうら党交流公社(青島体験振興会)
ところ:松浦市御厨町田代免601
営業:平日9時~18時
【電話】0956-41-7171

◆地域のニューストピックを紹介
○松浦市、松浦高校、ベネッセが連携協定
松浦市と県立松浦高校、株式会社ベネッセコーポレーションは学習環境の充実を目指し、3月17日に連携協定を締結しました。月2回、全国の現役大学生とオンラインでつなぎ、1対1で学習や進路の相談ができます。松浦高校が全国初の導入で、4月からスタートしています。