- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県島原市
- 広報紙名 : 広報しまばら 令和7年8月号
本市出身の俳優、宮﨑香蓮さんが日常で感じたことを掲載
■最近、ロスってます
最近のわたしは舞台を無事に終え、少し感傷に浸っているところです。いわゆる「ロス」ですね。舞台はたいてい約1か月の稽古期間があり、本番も合わせると1か月半から2か月程度ほぼ毎日、同じキャストやスタッフと作業をするんです。今回もそうでした。
長い公演だと3〜4か月のこともあり、わたしの最長記録は本番期間3か月の全108公演です!
映像の仕事でもそれくらいの期間をかけることはあるのですが、映像はカットごとの積み重ねのイメージで、完成は少し先。舞台は1つの作品をまるっと毎公演生でお届けする分、すごく密なイメージでしょうか。どちらの良さもありますが、舞台の方が比較的〝ロスりやすい〞んです。今回はなおさらでした。
というのもとっても楽しくて充実していたんですね。作品は幽霊になったラジオディレクターが満月の夜にだけ実体化し、ラジオ番組を放送するというもの。そこに他の登場人物たちが関わっていきます。びっくりする設定かもしれませんが、この中に「生と死」「大切な人への想い」「生きていくということ」なんてメッセージが込められたあたたかいお話でした。
キャストは4人だけの1時間50分のストレートプレイ。全員同世代で、こんなに密な舞台って実はなかなかないんです。稽古場ではとても穏やかな雰囲気の中、それぞれの意見を交換しながら、皆がお互いの役について考えて作品を作っていきました。そんな環境はひとつの理想だなと思いながら、時間を過ごすことができました。
「自死」「戦争」「大切な人との別れ」といった重たいメッセージを含みつつ、優しく包み込むような作品に仕上がったのは奇跡のように思います。
大切な人を大切に想う気持ちはこんなに尊いのだとこの舞台を通して感じることができました。
銀座の博品館劇場、佐賀市の佐賀文化会館の2か所での公演。佐賀公演には長崎からも来てくださった方もいてとても嬉しかったです。公演前にみんなで佐賀の「干潟よか公園」に観光に行ったのですが、あいにくの雨。海の向こうには普賢岳が見えるのになぁと少し残念でしたが、地元を近くに感じながら芝居できたことは、なんとも感慨深かったです。
とても大切な作品と役と座組に出会えて、心から感謝しています。もう少し感傷に浸ってまた次へ向かいたいと思います!