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■南島原市有家町に息づく福の神―そろばんを持つ恵比寿さんの謎
「恵比寿さん」とは、七福神の一柱で、主に漁業の神様として知られています。一般的には、鯛を抱えて釣り竿を持ったお姿で親しまれていますが、有家町には少し変わった恵比寿さんが存在することをご存知でしょうか?例えば、小川地区の港近くにある恵比寿像は、雲仙火山の溶岩を用いて1943年に地元の人々の手によって建立されました。当時、小川地区は商いが盛んな地域であり、商売道具の象徴であるそろばんを持たせることで、商売繁盛の願いを込めたといわれています。これは、漁業だけでなく商業を営む町ならではの工夫といえるでしょう。
有家町を歩けば、路地やお堂、お店の中など、思いがけない場所でそろばんを手にした恵比寿さんに出会えます。どの像も表情が豊かで、見る人の心を和ませてくれます。天気の良い日には、カメラ片手に「そろばん恵比寿めぐり」に出かけてみてはいかがでしょうか。地域の歴史や信仰にふれる、味わい深いひとときとなることでしょう。

問合せ先:島原半島ジオパーク協議会
【電話】65-5540