文化 つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク

■活断層と断層地形を利用して造った人工ため池
国道57号を小浜から諫早方面へ走ると、千々石展望所や愛野展望台などの見晴らしの良いスポットがあります。千々石海水浴場から展望所までの坂道は、「千々石断層」が動いてできた断崖です。
島原半島は、雲仙火山を挟んで南北にそれぞれ引っ張るように動いているため、半島の各地で大地の亀裂(断層)があります。千々石断層は、東西方向に伸び、断層から南側の地面が落ち込むように動いています。千々石展望所から眺めると、海岸から山側へ伸びる活断層の動きによって生じた崖を身近に見ることができます。活断層は地震を引き起こすため、防災上の注意が必要です。
また、「諏訪の池」は江戸時代に作られた人工の池です。諏訪の池周辺の岩石は、雲仙火山が誕生する50万年前以前の火山活動によるもので、比較的平坦な地形になっていますが、諏訪の池の南東縁は比較的急な崖になっています。これは、断層の動きでできた崖で、火山活動でできた平坦な地形が断層に沿って上下にずれています。当時の人々は、その崖下のくぼ地を利用して水をため、池を造り生活してきました。
雲仙諏訪の池ビジターセンターには池周辺の立体模型があり、地形を確認することができます。
日常の風景ができた背景を調べると、面白い発見があるかもしれません。

問合せ:島原半島ジオパーク協議会事務局
【電話】0957-65-5540