くらし 思うこと綴ります「市長コラム」

■テーマ「土地改良区の合併」
5月18日、雲仙市内8つの土地改良区の合併に向けた予備契約書調印式がありました。土地改良区とは、農地の整備や水利施設の維持管理などを効率的に行うため、その土地に関係する農家や地主で組織する公益法人です。調印式には関係者約200人が出席されました。
各土地改良区で整備された水利施設などは、造成から長い年月が経過し、老朽化が進んでいるところがあります。一方で、農家の高齢化や担い手不足の影響により、小規模な土地改良区では円滑な更新、維持管理が難しくなってきています。このような状況のままでは、運営基盤の先細りが懸念され、担い手の確保や安定した農業が困難になることが予想されます。
こうした現状を打破すべく、市内8つの土地改良区の皆さまが合併に向けて動き出しました。合併することで運営基盤を強化し、次世代にわたって長く受け継がれる農業の実現を目指していくため、大きな決断をされたことに対し、心より敬意を表します。
本市の農業は県内トップの産出額を誇り、本市を代表する基幹産業です。基盤整備を進めた地区では子どもの数が増加したほか、農業をやりたいという若手が移住してきたという明るい話題も耳にします。また、きれいに並んだ石垣が織りなす造形美には、先人たちの苦労を垣間見ることができます。
今回の合併にも代表されるように、次代に農業をつなげようとする思いを積み重ねていくことが大切だと感じています。異なる背景や経験を持つ方々が、共通の目標に向かって協力し合うことで、本市の農業全体がさらに発展することに期待しています。