- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県雲仙市
- 広報紙名 : 広報うんぜん 令和7年10月号
「もう一回、息継ぎの練習をしてみよう。」コーチに励まされ私はビートバンを掴んで、もう一度挑戦した。
私の住んでいる家のそばには大きなため池があった。もし池に落ちても泳げるようにと母が近くのスイミングスクールに兄妹を通わせた。初めて泳いだのは5歳の頃。周りは知らない大人たちしかいないし、水に入るのが怖かった。当時の私は超がつくほどの人見知りで、新しい環境に飛び込むのが不安で仕方なかった。最初は水の中で目を開けることから。兄は楽しそうに泳いでいたが、私は上手にできない。全然楽しくないし、友達もいない。でも、コーチが根気強く、楽しく教えてくれた。苦しかった息継ぎも徐々にスムーズにできるようになった。同い年の友達に出会い、一緒に頑張る仲間もできた。それから、クロールや背泳ぎなどできることが増えた。「さっきは上手に泳げていたね。」とコーチに褒められると、とっても嬉しかった。いつのまにか、楽しみながらスイミングに通っていた。今でも泳ぐのは好きだし楽しい。
この経験のおかげで、初めて会う人と恐れずに会話ができるようになった。また、挑戦することの大切さを学んだ。きっかけをくれた母には感謝している。(柚)
