くらし つなごう未来へ!島原半島ユネスコ世界ジオパーク

■“白洲”から考える海の生態や地球環境
原城跡の沖合で見られる「白洲(しらす)」を知っていますか?
例年、春から初夏にかけて大潮の干潮時で見られる白洲は、上陸ツアーが組まれるほど住民や観光客から人気です。季節限定の観光地になる白洲ですが、その詳しい生態や価値をご存知でしょうか?
白洲は、海藻の一種である球状の「サンゴモ」が集まってできた藻場です。これは通常海底にあるものが、原城跡の沖合では国内で珍しい“海面に出現”するため、貴重な価値を持っています。
サンゴモは、海水中のカルシウム分や二酸化炭素(CO2)を取り込み、光合成をして成長する海の植物で、体は硬い石灰質でできています。そのため波による流出や破壊、天敵からの食害を受けにくい特徴を持ちます。また成長過程で木の年輪のようなものができるため、海水温や塩分濃度の変化などを読み解く、いわば“海のタイムカプセル”として注目されています。
近年では気候変動に影響を及ぼすとされるCO2排出削減が急務となっていますが、海の植物が取り込むCO2は「ブルーカーボン」と呼ばれ、サンゴモも気候変動対策に貢献する存在として期待が高まっています。
サンゴモは生きている時は赤紫色ですが、死ぬと白っぽくなります。死んだサンゴモやその破片が白い砂のように見えることから、地元では「真砂(まさご)」と呼ばれています。白洲の上陸ツアーに参加された際は、サンゴモの観察を通じて海の生態系や地球環境を考えるひとときにしてはいかがでしょうか。

問合せ:島原半島ジオパーク協議会
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