- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県菊池市
- 広報紙名 : 広報きくち 令和7年4月号
■「人権」って何だろう
▽社会の中の人権問題
テレビやニュースサイトで、人権に関する記事や報道を見聞きすることはありませんか。
近年の一例として、大手企業内での性被害告発やイスラエルによるガザ地区侵攻、同性婚に関する裁判などが挙げられます。これらの人権問題は別々なようで関連があり、日常的に自分事として考えることが大事です。
▽「人権」って何だろう
そもそも「人権」とは、もともと英語の「human rights(ヒューマンライツ)」を和訳したものです。
ここで注目してもらいたいのは、権利を意味する「right」が複数形になっているという点です。このことから、「人権」とは人間が持っているいくつもの「権利」の総称であることが分かります。
もう一つ重要なのは、ここでいう「権利」は、わがまま(自分勝手)ではなく、「社会全体が守るべきルール(法律など)にのっとり、誰かに求めることができるもの」だということです。
例えば、私たちは労働して、その分の報酬をもらう権利があります。性別や人種によって報酬に差を作ることは、その人の権利を侵害していることになります。当たり前のことのようですが、これも基本的な「権利」のうちの一つです。
基本的人権は、誰もが生まれながらに持っているものです。人格や行動、出自、経歴、財産などによって個別に判断されるものではありません。
そういった基準を理由に、他者が持っている権利を認めないことを差別といいます。他者の権利を奪う「権利」は誰にもありません。だからこそ、自分の「権利」と相手の「権利」のどちらも尊重する姿勢が求められるのです。
▽差別のない菊池市をめざして
私たちが持つ大切な人権を守り、差別をなくしていくための取り組みの一歩として、菊池市では令和4年7月から「人権未来都市」を宣言しています。
この宣言は、市内で実際に発生した企業による部落差別発言事件(令和3年)と、部落差別落書き事件(令和4年)を教訓としてつくられたものです。
人権を大切にするまちとは、すなわち住んでいる人を大切にするまちです。一人一人が自らの人権意識を向上させることが、菊池市の発展につながります。
大事なことは、どんな形でもいいので、人権について繰り返し学ぶことです。そして一緒により良いまちづくりに関わっていきましょう。
この宣言が掲げる「誰もが幸せを享受することができる菊池市」の確かな実現のために、市民全体で人権尊重の声を上げ、行動につなげていきましょう。
問い合わせ先:人権啓発・男女共同参画推進課
【電話】0968-25-7209