- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県宇土市
- 広報紙名 : 広報うと 令和7年2月号
■東京の宇土ゆかりの地(1)
今月の「うと学だより」は、東京にある宇土ゆかりの場所を紹介します。
1.三斎小路(さんさいこうじ)(港区虎ノ門一丁目)
オフィスビルや商業ビルが密集する虎ノ門から新橋エリアは、江戸時代には大名屋敷が軒(のき)を連(つら)ねていました。初代宇土藩主・細川行孝(ゆきたか)の祖父・忠興(ただおき)(三斎)はこの地に屋敷を構えていました。三斎死後、孫の行孝が屋敷を譲り受け、元禄16年(1703)まで宇土藩の上屋敷(かみやしき)(大名の妻子や江戸滞在中の大名が暮らす屋敷)として使用されました。
屋敷前の通りは、三斎にちなんで「三斎小路」、裏手通りは屋敷の竹藪にちなんで「薮(やぶ)小路」と呼ばれました。
〔最寄駅〕東京メトロ 虎ノ門ヒルズ駅
2.清光院(せいこういん)(品川区南品川)
江戸における宇土藩の菩提寺(ぼだいじ)として慶安3年(1650)に創建されました。江戸で亡くなった宇土藩主は、この清光院に葬られた後、宇土に分骨(ぶんこつ)されました。かつては藩主のほか、藩主の側室や子どもたち、家臣たちの墓も多くありましたが、平成に入り墓地が整理され、残念ながら宇土藩に関係する墓は現在残されていません。
清光院の北側を流れる目黒川の対岸には、江戸における熊本藩の菩提寺・東海寺(とうかいじ)があります。
〔最寄駅〕京急本線 新馬場(しんばんば)駅
3.国立国会図書館(千代田区永田町)
皇居(旧江戸城)の南西、国会議事堂の北側に位置する国内唯一の国立の図書館。満18歳以上であれば、誰でも利用することができます。
江戸時代、江戸城の周囲には大名屋敷が立ちならび、宇土藩の上屋敷は現在の国会図書館がある場所にありました。敷地は3,234坪(約1万平方メートル)あり、野球場1面分ほどの広大な敷地でした。
江戸には上屋敷のほか、隠居(いんきょ)した大名や成人した世継(よつぎ)が住む中屋敷(現在の港区西新橋2丁目付近)、江戸の郊外にあって別荘的に利用された下屋敷(現在の港区白金台2丁目付近)がありました。
〔最寄駅〕東京メトロ 永田町駅
4.浜町(はまちょう)公園(中央区日本橋浜町)
隅田川右岸に位置する中央区で最も広い浜町公園の場所には、江戸時代、熊本藩の下屋敷がありました。宇土生まれの細川立礼(たつひろ)は、明和9年(1772)に宇土藩主に就任後、熊本藩主に転じ、名を斉茲(なりしげ)に改名しました。
隠居後はこの地にあった屋敷に住み、地名をとって「浜町様(はまちょうさま)」と呼ばれました。幕末には屋敷内に加藤清正を祀(まつ)る清正公寺(せいしょうこうじ)が建てられ、現在も公園内に建物が残されています。
〔最寄駅〕都営地下鉄新宿線 浜町駅
問合せ:文化課 文化係
【電話】23-0156