くらし アソヒト

◆Vol.3 狩尾3区のみなさん(扇切保存会)
みなさんは狩尾の扇切りをご存知でしょうか?
毎年8月第1週日曜日に行われ、田畑の害虫避けや牛馬の安全、五穀豊穣や健康祈願が扇に込められており、伝承され、現在も続いています。1年前に阿蘇へ来て、すぐにこの扇切りの活動を知り、今回1年越しに願い叶って作業に同行させていただきました。当日車を乗り換え、第1集合場所へ軽トラに同乗させてもらい、道中車体に揺られながら扇平へ向かいます。途中木々のトンネルや牧野の景色に圧倒されていたらいつの間にか集合場所に到着。すでに先行隊のみなさんが先に上がられているということなので、合流するため徒歩で標高750mある第2集合場所の扇平頂上を目指します。「ここが第1関門だから」その言葉の意味が最初分からなかったのですが、切り立った山の側道を歩くうちに、だんだんと身体がその意味を理解し始めました。緊張と好奇心が攻めぎあう心を落ち着かせながら進んでいくと第2集合場所に到着。そこから見える景色は普段見ているものとは何か別物のような、遠い場所のような不思議な雰囲気に包まれていました。そこから15分程、参加者のみなさんとお話ししながらの小休憩で身体を整えたところで、ついに本番へと移ります。坂の傾斜は30度-50度程だっただろうか、その場所に立った瞬間自然と体勢を低くし、滑らないように意識を集中させている自分の横で、慣れた足並みで刈払機を操り、作業されているみなさんの姿が今も脳裏に焼きついています。また来年も参加して、この場所でみなさんとお会いできるのが私の来年の目標の1つです。

阿蘇市地域おこし協力隊
長尾 昌樹(まちづくり課 所属)