くらし 菊池地域合同特集 障害と合理的配慮 思いやりを形に-3


代表取締役 池田竜太(いけだ りゅうた)さん


eスポーツを通じたサポート事業を障がい者や高齢者向けに行なっています。毎月のオンラインイベントの他、年に数回会場を設けてeスポーツ大会を開催し、参加者は全国から集まっています。
以前は理学療法士として16年間リハビリの仕事をしていました。患者さんと向き合う中で、退院しても閉じこもる人が多いことに気付き、障がいがある人が社会参加できるものはないかと模索していました。
そんな時、eスポーツに出合って「これだ」と思い、仲間たちと一緒にハッピーブレインを立ち上げました。同じ土俵で勝負をするので、誰もが対等にコミュニケーションが取れることが強みです。
重度の障がいがあるこどもを持つ両親から「けんかや仲直りをする機会など、学校に行かないと経験できないことをeスポーツで体験できて良かった」と言われた時は、すごくうれしかったです。
eスポーツはさまざまな特性を持つ人とつながることができる新しい可能性を秘めています。人と人との交流を通じて、自分のさらなる可能性を見出してもらいたいと考えています。
障がいの有無にかかわらず「ごちゃまぜの世界をつくる」。そこにたどり着くために、これからも進み続けます。

問合せ:株式会社ハッピーブレイン
合志市御代志1661-1 ルーロ合志303号
【電話】096-344-0007


(株)CREIT代表 高橋尚子(たかはし しょうこ)さん

交通事故後、5年くらいは心が前向きになれない時期が続きました。「生きる意味ってあるのかなって」。そのモヤモヤを打破してくれたのが、ある美容師さんとの出会いでした。美容室は2階にあったのに、車いすごと私を持ち上げて店まで運んでくれて。本当にうれしかったことを覚えています。
このことがきっかけで、私と同じような境遇の人がもっと外の世界に目を向けてほしいと思うようになりました。現在は各種SNSで自身の経験やバリアフリーの重要性を発信しています。
近年は合理的配慮が義務化されるなど、少しずつ法律の整備は進んでいますが、実際はあまり変化を感じないのが現実です。だからこそ、お互いが相手を思いやり、理解しようとする“心のバリアフリー”を広げていく必要があります。
うまくサポートしたいと思うあまり、声を掛けられず無関心を装ったり、過剰に手伝ったりすることもあるかもしれません。でも声を掛けることで救われる人がいます。心掛けひとつでバリアは乗り越えられると思うんです。
障がいの“ある”・“ない”にかかわらず手を差し伸べる。そんな社会になってほしい。勇気を持って一歩を踏み出すことで、階段も段差も、どんなバリアも、きっとなくすことができると私は信じています。