くらし つなぐゆのまえ―人権のひろば―ホームレスに関する人権みんなが生きやすく温かい社会に

■「ホームレス」とは?
ホームレス自立支援法によると、公園や河川、道路、駅舎などを起居の場所として日常生活を余儀なくされている状況にある、いわゆる野宿生活をしている人としています。

■なぜホームレスに
国の実態調査によると、ホームレス状態になった理由は「仕事が減った」「倒産や失業」「人間関係がうまくいかなくて、仕事を辞めた」「病気やけが、高齢で仕事ができなくなった」だけでなく「家族関係の悪化や離別・死別」「退院や退所後の行き先が無い」などもあります。

■どんな人権問題があるか
やむを得ずホームレスとして生活しているにも関わらず「本人の責任」「怠けている」などの偏見や「怖い」「衛生的でない」といったイメージがあることで、地域社会との摩擦が生じ、苦情や嫌がらせを受け、ひどいときは暴行の対象になるなどの人権侵害も発生しています。
ほかにも住所が定まらないというだけで、十分な医療や福祉サービスを受けることができない、就職で不利になるなどの問題もあります。

■問題解決に向けて
偏見や固定的なイメージでホームレスを排除してしまうのではなく、誰もが関わりのある社会的な問題ととらえることが大切です。ホームレスとしての生活を営まざるを得なくなった理由や苦しみを正しく理解して、社会的に弱い立場にある人を支えていくことが、私たちにとっても生きやすく温かい社会につながっていきます。

地域人権教育指導員 窪田龍記(たつき)