くらし 令和7年度 施政方針(2)

◆(1)共助のむらづくり
健全な財政運営の推進については、村税の確実な徴収への取り組みとして令和6年度から口座振替による納付の促進を行っています。令和7年度は、口座を登録するための機器を導入し、手続時の負担軽減を図ることで、口座振替登録率70パーセントを目指します。
また、ふるさと納税については、自主財源が乏しい村において、安定的な財源確保の手段として認識しているものの、個人からのふるさと納税については、令和2年度をピークに減少が続いているため、減少要因の分析を行っています。対策を早急に取りまとめ、できるところから取り組みを進めていきます。また、企業版ふるさと納税については、引き続き金融機関と連携し、企業とのマッチングにより寄付額の増加につなげていきます。
効率的な行政運営の推進については、改訂予定の行政改革大綱に基づいて改革を進めていくとともに、球磨村DX推進計画を確実に実行していくために、地域活性化起業人制度を活用し、専門的な知識を有するデジタル人材を受け入れ、住民サービスや行政業務のDXを進めていきます。デジタルの技術を活用し、村民の利便性の向上と業務の効率化に取り組むことで、住みやすいむらづくりにつなげていきます。

◆(2)地域資源を生かしたむらづくり
農林水産業の振興については、国の遊水地事業による農地の代替地としていた尾緑地区において、営農が再開される見通しとなるなど、明るい話題もあります。一方で、生産者の高齢化、担い手不足への対応などが喫緊の課題です。このような課題を解決するために、地域おこし協力隊制度を活用し、意欲のある方を募集することで、後継者の育成を図るとともに、定住にもつなげていきます。加えて、村の豊かな地域資源を活用し、新たな付加価値を生み出す6次産業化への取り組みを進めていくためにも、地域おこし協力隊制度を活用し、新たな視点、アイデアにより、加工品や特産品の開発、販路拡大を図っていきます。
また、令和6年度から3年間を生産力強化の支援期間と位置づけており、産業振興対策補助金における補助率を引き上げることで、農林水産業従事者の生産意欲の向上を図り、将来にわたり守っていくべき農地等の利用の向上につなげるとともに、生産基盤における支援も行っていきます。
また、有害鳥獣対策について、個体数の増加により、山林においてはスギやヒノキの剥皮(はくひ)被害に加え、生息域が集落付近まで広がってきたことによる農作物への被害も深刻です。現在、有害鳥獣の捕獲については、猟友会に所属している村内狩猟者により捕獲活動を行っていただいており、その捕獲頭数については年々増加傾向にあります。このような状況を踏まえ、鳥獣捕獲に関する専門的な知識や技術を持つ人材を確保し、効果的な鳥獣被害対策を推進するため、今回新たに鳥獣被害防止特別措置法に基づく鳥獣被害対策実施隊の設置を行います。なお、捕獲したシカは、食用肉として加工し、有効活用しているところですが、処理頭数の拡大と施設の衛生管理の徹底を図るため、ジビエ解体処理加工施設を現在の敷地内に新築することで、食用肉生産量の増加や加工品の開発や、ふるさと納税返礼品の拡充などに大いに寄与するものと期待をしています。
林業従事者の担い手の育成では、球磨清流学園の児童を対象として、森林教室の実施、植林体験などを通じて林業の大切さを感じていただき、将来の担い手確保につながる事業を実施していきます。また、ドローンによる苗木などの資材運搬効果を検証し、スマート林業につなげていくことで、森林施業の効率化・省力化を図ります。
商工振興では、商工会との連携を図りつつ、創業等にかかる補助金を創設し、商工関係者の参入・創業などを支援していきます。
観光の振興については、球磨村観光振興計画に基づいて取り組むこととしており、ラフティングや球泉洞、温泉、棚田といった観光資源を活かし、稼げる観光産業の構築を目指すため、まずは基盤である観光組織の強化に向けた体制づくりに着手します。また、賑わいの創出に向けて、村外から多くの人を呼び込むとともに、地域住民の交流促進や買い物場としての機能をもたせることで、経済活性化や雇用創出などに寄与する道の駅や復興祈念公園の整備を推進し、施設の規模や機能、運営方法などを盛り込む基本計画を策定します。
ことし1月から村直営としている一勝地交流センターかわせみにおいては、温泉のみの営業となっているため、全面再開に向けて取り組んでいきます。
なお、令和4年度から取り組んでいる球磨川リバイバルトレイル大会事業においては、村独自の取り組みとして継続し、村のPRや交流人口の促進を図っていきます。