- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県球磨村
- 広報紙名 : 広報くまむら 2025年5月号
◆(3)安全・安心な暮らしの環境づくり
被災した渡・神瀬多目的集会施設の代替施設として、防災機能を備えた地域住民が集える施設整備に取り組んでいるところです。神瀬地区では、施設の建設工事を行い、渡地区では、実施設計に取り組んでいきます。防災拠点としての活用はもちろんのこと、平常時においても住民に積極的に利用していただけるよう、施設整備と並行して地域住民や関係機関と連携を図り取り組んでいきます。
また、令和4年に県と基本協定を結び、整備を進めてきました山口地区の塚ノ丸団地周辺の整備については、令和7年度を最終年度として、完成に向けて県と連携していきます。そして、宅地かさ上げ事業においては、国・県と引き続き連携して整備を進め、早期完成を目指します。
生活基盤の早期復旧においては、簡易水道施設などの災害復旧を進めるとともに、地区水道の復旧支援も引き続き行っていきます。
交通基盤の整備については、コミュニティバスの運用について、予約制による運行の検討を進めるなど、利便性の向上に努めていきます。JR肥薩線やくま川鉄道の早期復旧に向けては、県や沿線自治体と連携し、JR九州や国への働きかけを行うとともに、日常利用や観光利用の促進策も引き続き検討していきます。
脱炭素先行地域事業については、令和7年度で4年目となりますが、全国の自治体から高い注目を受けています。引き続き村有施設へソーラーパネルや蓄電池を設置しつつ、耕作放棄地を活用したソーラーシェアリング事業にも取り組むとともに、関係機関と連携し、環境学習などによる脱炭素に向けた啓発も進めていきます。
最大の課題として位置づけしている人口減少対策ですが、移住・定住の受け皿となる住環境整備においては、渡総合運動公園グラウンド仮設住宅を活用した村有住宅の整備を引き続き進めるとともに、空き家バンクに登録した家屋の改修などに対する補助金や、村外から転入する世帯への給付金事業も継続していきます。また、新たに移住コーディネーターを採用することで、増加している移住・定住の相談対応や情報発信体制の強化を図っていきます。
◆(4)健康・長寿のづくり
村民の健康づくりを推進するために、熊本市が中心となって実施している「熊本健康ポイント事業」に参画することにより、自らが健康づくりに取り組める環境整備を進めていきます。また、住み慣れた地域で安心して医療を受けられるよう、球磨村診療所の村営化について、県と連携して検討を進めます。そして、安心して子どもを産み、健やかに育てられるよう、引き続き産後ケア事業に取り組むとともに、不妊治療費助成については、特定不妊治療や先進医療に対する費用を助成していきます。
なお、引き続き地域包括支援センターによる地域支援事業の充実を図り、高齢者の介護予防や自立した日常生活の支援、生きがいづくりに努めていきます。
◆(5)未来を拓く人づくり
子育て支援については、出生児祝金の給付、保育料無償化、保育所副食費助成、学校給食費助成金や入学進級準備給付金、高校生等教育支援補助金などの経済的支援を引き続き行うとともに、すべての子どもが将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現に向けた取組みを、総合的かつ計画的に推進していくため、「こども計画」を策定することとしています。安心して出産し子育てのできる環境づくりに取り組むことで、子育てしやすい村、子育て世帯に選ばれる村を目指していきます。
学校教育の充実については、球磨村教育振興基本計画の基本理念である「ふるさとを愛し、未来をたくましく生き抜く人づくり」を推進するため、令和6年4月に開校した球磨清流学園では、地域への愛着を醸成するふるさと学や、グローバル化が進む社会の中でも対応できる力を育成するため、ICT機器を活用した授業を実施しています。村ならではの特色ある取り組みの一環として、児童生徒の論理的思考の育成を図り、情報化社会に対応する人材を育てるために、プログラミング教育支援事業を継続していきます。
◆最後に
令和7年度は本格的に観光振興に力を注いでいきます。村の価値や魅力を広く発信するとともに、国内外からの誘客や交流を促進し、訪れたくなるむらづくりを目指すことで、交流人口の増加を図り、そして移住人口の増加へとつなげていきます。
一方で、本村は、令和6年が合併70周年の節目でした。本村はこれまでも多くの自然災害に見舞われてきましたが、その度に、知恵と工夫を結集して乗り越えてきました。今度は、今を生きる私たちが、未来の子どもたちへ球磨村を残すために、必ずや復興を成し遂げるという強い気持ちのもと、村民一丸となってこの難局を乗り越えるため、これからも一つ一つ決断をしていく所存です。
誰も経験したことのない災害からの復興、そして「豊かな自然とともに生きみんながつながる球磨村」の実現を目指し、全力で取り組んでいきますので、より一層のご理解とご協力をお願いします。
球磨村長 松谷 浩一
「豊かな自然とともに生きみんながつながる球磨村」を目指して