くらし 人権の広場

■5月5日は「こどもの日」です
国民の祝日に関する法律で「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」として昭和23年に制定されました。「何を今さら…知ってるよ」という声も聞こえてきそうです。古来からの行事として5月5日に男の子の成長を祝う端午の節句が行われてきましたが、端午の節句とは別の国民の祝日です。男の子のためだけの祝日ではありません。
さて、「〇〇らしくしなさい」「△△のくせに」と言っていませんか。〇〇、△△にはどんな言葉が入ると思いますか。子どもを指導する(注意する、叱る)ときについ言いがちな言葉です。男、女、お姉ちゃん、お兄ちゃん、子ども、などの言葉は○○にも△△にも入りそうです。
日本ではアダルティズム(※1)とパターナリズム(※2)という考え方が多いそうです。大人は、いい子に育ってほしいという気持ちで言っていると思っていますが、これらの言葉を受け続けた子どもたちはどう思うでしょう。例えば「子どもらしくしなさい」の基準は多様なため、子どもたちはどうしていいか分かりません。分からないから同じ失敗をして、また、叱られます。これが続くと虐待につながりかねません。また、「男のくせに」の後には、否定的な言葉が続きがちです。男女の行動や考え方について周囲の大人が言うことが当たり前、正しいこととして刷り込まれてしまう恐れもあります。
「◇◇であらねばならない」「◇◇べき」「◇◇ができて当たり前」という、大人の側の考えを一方的に押し付けていませんか。否定的な言葉を受け続けた子どもは、それが当たり前だと思って、行動してしまいます。「なぜ、差別をするのだろう」「いじめはなくならないのだろう」「今の子どもは」と言いがちですが、知らず知らずのうちに、大人が「差別」を子どもたちに教えてしまっているのかもしれません。言いかえれば、私たちも差別的な考え方や偏見を、周囲から気付かないうちに受け継いできているのです。
差別を断ち切るためには私たち大人が学び続け自分の中にある偏見や差別的な考え方に気付くことが大切です。
(※1)アダルティズム…子どもは大人の支配下にあるという考え方。または年齢に基づく主に若者に対する偏見。
(※2)パターナリズム…強い立場にある人が、弱い立場にある人の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援すること。

問い合わせ:教育委員会 社会教育係
【電話】32-1117