健康 山香病院だより vol.204

■食中毒について
栄養科 主幹管理栄養士 小春清美(こはるきよみ)

食中毒とは、細菌やウイルス、何らかの有毒・有害物質などの食べ物や飲物を口にすることによって、発熱、腹痛、嘔吐などの症状が現れる病気です。

(1)令和6年 病因物質別月別食中毒発生状況
令和6年に発生した食中毒の主な原因は、寄生虫、細菌、ウイルスとなっており、このほか、自然毒や化学物質などによる食中毒も一定数発生しています。
大分県では10件発生しており全国では33位、杵築市では3件(クドア:寄生虫)発生していました。
アニサキスなどの寄生虫による食中毒は年間を通して発生しています。杵築市についても、寄生虫食中毒発生月は、1月2件、7月1件と季節関係なく発生しています。湿度や気温が高い時期は、一般的に細菌が増えやすいので、春~秋(4月~11月)には細菌性の食中毒の発生件数が増加する傾向にあります。冬(12月~3月)は、ノロウイルスなどのウイルス性の食中毒の発生が見られます。また、春や秋には、他の時期に比べて、自然毒による食中毒が多く発生します。食中毒は年間を通して発生していますので、日頃から食中毒の予防に心がけてください。

(2)食中毒の特徴

(3)食中毒の予防のポイント
食中毒をおこす細菌やウイルスの種類が違っても、食中毒を予防するための共通のポイントがあります。それを《食中毒の3原則「つけない・ふやさない・やっつける」》と言います。これらの3原則を守り、実行することで食中毒のリスクを大幅に減らすことができ、予防につながります。
・つけない…食品を汚染させないようにする。
・ふやさない…食品や調理器具を適切に保管する。
・やっつける…食品を十分に加熱する。

○まとめ
近年、身近な家庭でも発生する食中毒が増加傾向にあります。特に夏場は注意が必要です。食中毒が疑われる症状が現れた際は、無理をせず近隣の医療機関へ相談・受診してください。市民の皆さま一人ひとりが日々の食品の取り扱いや調理方法に注意することが、地域全体の健康を守ることにつながります。