- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県杵築市
- 広報紙名 : 広報きつき 令和7年7月号
■どなたでも参加できる「グリーンカフェ」
看護部長 山口(やまぐち)あゆみ
杵築市立山香病院では、認知症の方を支える取り組みとして「グリーンカフェ(認知症カフェ)」を毎月開催しています。病院に隣接するグリーンケアやまがの一角を会場とし、認知症の方やご家族、地域住民、ボランティアの方々、そして病院の専門職が集い、自由に語り合い、交流できる温かい空間です。
このカフェは、当院に新たに認知症看護認定看護師が誕生したことをきっかけに今年5月からスタートしました。専門職として地域に何か貢献できることはないかと考え、「地域と病院をつなぐ場」としてグリーンカフェを立ち上げました。初回となる5月のカフェには11名が参加し、参加者同士の笑顔あふれる和やかな時間が流れました。
グリーンカフェでは、認知症看護認定看護師が中心となり、参加された方の相談に丁寧に応じています。介護に関する悩みや、日々の不安をお聞きし、医療的な視点を踏まえたアドバイスを行うことで、心理的な安心感を得られたという声も寄せられています。また、こうした交流の場があることで、「自分たちは一人じゃない」と感じていただけることも大切な目的の一つです。
さらに、病院内の多職種チームがカフェを支えています。医師や看護師、理学療法士や作業療法士、言語聴覚療法士、管理栄養士、薬剤師など、それぞれの専門分野から健康に役立つ情報提供やサポートを行っています。参加された方からは、「専門職の話が聞けて参考になった」「気軽に相談できる雰囲気がありがたい」といった感想をいただいています。
認知症の方やご家族が地域で孤立しないよう、また、早期に必要な支援につながるよう、こうした取り組みを通じて、私たちは地域包括ケアの実現に貢献していきたいと考えています。毎回のカフェにはテーマを設け、季節に合わせた企画や健康に役立つ講話なども予定しています。たとえば6月は「心も体もリフレッシュ! グリーンケア体操」、7月には「BPSD(認知症の周辺症状)ついて」など、楽しみながら健康づくりに取り組める内容を準備しています。
グリーンカフェは、毎月第4土曜日の午前10時から11時30分まで開催しています。参加費は無料で、申し込みも不要です。認知症の方やご家族に限らず、物忘れが気になる方、ちょっと話をしたい方、地域の活動に関心のある方など、どなたでもお気軽にご参加いただけます。
「認知症になっても、介護が必要になっても安心して暮らせる地域づくり」を合言葉に、杵築市立山香病院はこれからも地域の皆さまと共に歩んでまいります。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。