- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県杵築市
- 広報紙名 : 広報きつき 令和7年10月号
■「インフルエンザに備えて」
内科 守田和正(もりたかずまさ)医師
○インフルエンザワクチンの重要性
インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザに感染するリスクを減らす最も効果的な方法です。ワクチンを接種した人は、接種していない人と比べて、インフルエンザによる発症や死亡のリスクが低くなります。
○接種をお勧めする方
生後6か月以上のすべての方にワクチン接種をお勧めしますが、特に下記の方には重要です
[高齢者・基礎疾患のある方]
・50歳以上の成人
・老人ホームなど介護施設にお住まいの方
・慢性的な肺疾患や心臓疾患のある方
・糖尿病や腎臓病などの慢性疾患をお持ちの方
・HIV感染者や臓器移植を受けた方
・高リスクの方と同居している方
[お子さん・妊婦の方]
・長期間アスピリン療法を受けている生後6か月~18歳のお子さん
・インフルエンザ流行期に妊娠される方
○接種の時期
インフルエンザウイルスは毎年変化するため、毎年新しいワクチンの接種が必要です。ワクチンが利用可能になったら、できるだけ早めに接種することをお勧めします。
日本では、インフルエンザの流行期は通常11月から4月です。ワクチンの効果が現れるまで約2週間かかるため、流行前の接種が理想的です。
なお、COVID-19ワクチンと同時に接種することも可能です。
○ワクチンの効果
ワクチン接種を受けた方の50~80%は、通常インフルエンザの発症から守られます。万が一感染した場合でも、ワクチンを接種していない人と比べて症状が軽く、回復も早くなる傾向があります。
○副作用について
よくある軽い副作用
・注射部位の発赤、腫れ、痛み
・軽い発熱(通常38℃未満)
・体の痛み、頭痛
これらの症状は通常軽度で、1~2日以内に治まります。
○安全性について
ワクチンは安全性が十分に確認されています。ワクチン接種による合併症のリスクは、インフルエンザに感染することによるリスクよりもはるかに小さく、妊婦の方や胎児への影響もないことが確認されています。
○感染予防対策
ワクチン接種とあわせて、日常的な感染対策も重要です
・石鹸と水での頻繁な手洗い(アルコール系手指消毒剤も有効)
・咳やくしゃみをする際は口と鼻を覆う(ティッシュや衣服の袖を使用)
・目、鼻、口に触れることを避ける
・病気の人との密接な接触を避ける
○まとめ
インフルエンザワクチンは、ご自身と大切な人を守る重要な予防手段です。毎年の接種により、インフルエンザの重症化を防ぎ、地域全体の感染拡大も抑制できます。ご不明な点がございましたら、お気軽に医療機関にご相談ください。
■杵築市立山香病院事業管理者辞令交付
9月1日、杵築市立山香病院事業管理者に小野隆司さんを再任し、辞令を交付しました。小野さんは2013年9月から当病院の事業管理者を務め、今回の辞令で4期目。小野さんは「公立病院としての環境が厳しい中、重要な地域医療の継続のためしっかりと運営したい」と話されました。
