- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県九重町
- 広報紙名 : 広報ここのえ 令和7年5月号
『神様をさがして(2)神様はアットホーム』
文化財調査委員 後藤 浩二
今年、地区の神事委員の順番が回って来ました。
氏神は宝八幡宮ですが、地区では通称「お伊勢様」と呼ばれる「天照皇大神」の社もあります。聞きながら進めたいと思います。そのお伊勢様の横に、石の祠がありました。
聞くと、「宮地嶽様」だそうです。宮地嶽様の主神は、「神功皇后様」あら♪、宝八幡様の主神「応神天皇様」のお母様ではないですか。皆さんもご存知と思いますが、三大八幡宮の神様は「応神天皇様、神功皇后様」これと「宇佐八幡宮、鶴岡八幡宮は比売神様」「石清水八幡宮は比咩神様」「筥崎八幡宮は玉依姫様」と海由来の女神様なのですが、「宝八幡宮は仲哀天皇様」なんと応神天皇様の御父様なのです。何か“家族円満”の御利益がありそうですね。
余談ですが八幡様の中には「武内宿禰」を祀っているお宮もあるらしく、韓流ドラマを観る様で、厨二心がくすぐられます。歴史の好きな方は調べてみて下さい。ちなみに仲哀天皇のお父様は「日本武尊」で九重町では、飯田の「白鳥神社」に祀られています。そのお父様が「景行天皇」なのですが、この頃天皇家が始まったのではないかと考える学者も多い様です。記紀では「神武天皇」が初代で、それ以前は神話と考えられていますが、祖神が「天照皇大神様」なので、お伊勢様を祀ればとりあえず天皇家の先祖崇拝はコンプリートという所ですか。
さらには「天照皇大神」の弟に当たる「素戔嗚尊」も、松木「八雲神社」菅原「八坂社」に祀られています。追放された「素戔嗚尊」は出雲に落ち着き、(国津神)になります。
「大国主命」の代になると、高天原の神(天津神)に国譲りを迫られます。この時、交換条件で出来たのが「出雲大社」です。国譲りに抵抗したのが「建御名方」の神で、諏訪まで追いやられ観念しました。これが諏訪大社のおこりです。この「建御名方」を祀っている神社が九重町にもあります。松木の「諏訪神社」です。「大国主命」は「大国様」七福神のリーダーです。皆さんお正月になると車に乗って七福神が来ませんか?
「宝八幡宮」には「七福神会」があります。日本神道は自然崇拝が始まりと聞いていますが、古事記は飛鳥、奈良時代に時の権力者により制作されており、少なからず影響は出ていると思います。また、この時代は仏教も伝来しており、明治初期に分離するまで、複雑な神様像がつくられました。他、天満宮や稲荷信仰など、別ルートの神様も九重町には祀ってありますので、紹介出来たら、していきたいと思います。
(3)へ続く…