文化 都城市立美術館 vol.89

■「寒露の朝」
園田文雄 作 (撮影年不詳)

斜めに差し込む光に照らされた、もうもうと立ち上る川霧と朝露を帯びたススキ。自然の光景でありながら、どこか劇的な瞬間を切り取ったかのような一枚です。本市出身の作者・園田文雄(1917-2005)は、医師として働く傍ら、写真家としても積極的に作品を発表し、県内外の展覧会で数多く入選・入賞しました。大淀川にかかる歌舞伎橋(都島町)下を捉えた本作は、1982年の都城市美術展・写真部門で大賞を受賞しました。
市立美術館には、本作のほかにも園田にゆかりの収蔵品として、米国の美術家マン・レイの写真作品12点があります。これらは、地域の写真芸術の発展を願う園田の思いを受け継いだキミエ夫人から2006年に寄贈されたもので、本作とともに当館の重要なコレクションです。

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