- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県都城市
- 広報紙名 : 広報都城 令和7年9月号
■三国志八 (魏(ぎ)書、蜀(しょく)書)
3世紀の中国で分立していた魏、呉、蜀の三国の歴史を全65巻にまとめた「三国志」。三国の滅亡後、中国を統一した晋(しん)王朝に仕えた陳寿(ちんじゅ)が西暦280年代に完成させました。このうち、魏の歴史が記された「魏書」の中には「東夷伝(とういでん」)「倭人(わじん)」の条があり、これが「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」と呼ばれています。
本史料には、「倭人は帯方郡(たいほうぐん)(朝鮮半島の中世部)の東南、大海の中にある。山がちな地形の島に身を寄せて、国家機能を持つ集落を作っている。昔は百余国で、漢(かん)の時代は朝見する者がいた。今、交流の可能な国は30国である」との記述があります。そして、「倭国が乱れ、何年もお互いに攻め合ったので、諸国は共に一女子を立てて王とした。これを卑弥呼(ひみこ)という」とも記されています。
弥生時代の日本で国と国との争いが激化し、何年もの抗争を経た末に擁立されたのが、邪馬台国(やまたいこく)の卑弥呼であったことが分かる貴重な史料です。
※本史料は、9月28日(日)まで開催中の「都城地域の戦争と平和ー古代から西南戦争までー」で展示中
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23-2116