- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県都城市
- 広報紙名 : 広報都城 令和7年10月号
鳥取県境港市で生まれ育った写真家・植田正治(しょうじ)。終生、故郷である山陰を拠点に活動し、「植田調(UEDA-CHO)」と呼ばれるユーモアと優しさにあふれた写真で世界的に知られています。
本展では、植田の初期から晩年までの150点以上に及ぶ作品と資料を、それらにまつわるエピソードとともに紹介。今回は、見どころや関連イベントなどについてお知らせします。
■植田 正治(1913-2000)
現在の鳥取県境港市出身。中学生でカメラを手にして以来、「写真すること」に夢中になり、東京での修行を経て、19歳の時に故郷で写真館を開業する。この頃から写真雑誌や展覧会など、さまざまなコンテストで入賞を果たし頭角を現す。砂丘や砂浜など、山陰の風景とそこに住む人々を独自の視点から映し出した作品たちは「植田調」と呼ばれ、没後25年が経過した現在でも、国内外で展覧会が行われるなどその人気は衰えることがない。
■写真こそ生きている証し
江戸時代、オランダから日本へ持ち込まれた写真術は、肖像や風景などを記録する技術から、次第に撮る人の思いや世界の捉え方を表現する手段へと発展していきました。
昭和の始めから平成にかけて活躍した植田も、自己の世界観を写真で表現した一人です。植田は「好きなものしか撮れない」と、故郷の山陰の風景やそこに住む人々、自身の家族らを写し続けました。まるで映画の一場面のように演出された写真たちは、見る人の想像力を刺激し、今もなお多くの人々を魅了し続けています。
■代表作「砂丘モード」
最愛の妻・紀枝との別れで落ち込む植田を再起に導いたのが、ファッションブランドのカタログ撮影でした。鳥取砂丘というどこまでも続く砂の世界で、自身が思うままに伸び伸びと撮影した一連の作品たちは、晩年の代表作「砂丘モード」として、今も色あせることなく日本の写真史に刻まれています。
■都城とのゆかり
山陰を拠点とした植田でしたが、しばしば撮影旅行に出かけることや、各地の公募展の審査員を務めることがありました。都城市美術展でも3年間審査員を務めた植田は「平均的なレベルは他の県・市美展からみてもうまい作品が多いように思った」と感想を述べています。本展では、植田が選んだ作品とコメントを紹介します。
■特別展の概要
会期:10月25日(土)〜12月7日(日)
※月曜日休館(祝日の場合は翌日)
開館時間:9時〜17時
※入館は16時30分まで。11月の毎週金曜日は20時まで開館(入館は19時30分まで)
観覧料:一般千円(800円)、高校・大学生500円(300円)、中学生以下無料、ペアチケット1300円(前売りのみ)、フリーパス1300円
※( )内は前売りおよび65歳以上、20人以上の団体、17時以降の入館者の割引料金。11月3日(月・文化の日)は無料。11月16日(日・家庭の日)は高校生以下同伴の家族無料。障がい者手帳(アプリ含む)などの保有者およびその介護者無料。「うえだ(うえた)」さんは観覧無料。前売券の販売は10月24日(金)まで
■関連イベント
◇孫が語る開催記念ギャラリーツアー
日時:10月25日(土)10時〜11時
場所:市立美術館
講師:増谷寛(植田正治事務所代表)
※本特別展のチケットが必要
◇スペシャル対談「飯沢耕太郎(写真評論家)×増谷寛」
生前の植田正治をよく知る2人が、植田の人柄や作品のエピソードなどを語ります。
日時:11月9日(日)13時30分〜15時30分
場所:中央公民館
定員:50人程度 ※申し込み順
申込み:市立美術館
◇ワークショップ「箱カメラをつくってみよう」
自分で作った「箱カメラ」で写真を撮って、光とカメラのしくみを楽しく学んでみませんか。
日時:11月15日(土)9時30分〜12時、14時〜16時30分
場所:中央公民館
講師:横山宏有(ひろすみ)(宮崎大学工学部半導体サイエンスプログラム助教)
対象:小学生以上
※小学生は保護者同伴
料金:千円(材料費)
定員:各回10人程度 ※要申し込み。申し込み多数の場合は抽選
申込み:10月31日(金)までに市立美術館
※このほか、学芸員による観覧ツアーなどを実施予定。詳しくは、特別展特設サイトを確認ください
問い合わせ:市立美術館
【電話】25-1447
